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28日朝。快晴!
どうやら今年、隊長とノリさんの天気相性はいいようだ。(^;^)
前日の”九州おっさん二人旅シリーズ”別府温泉で鋭気を養った我々は
隊長車に2人分のカヌー道具を積み込みスタート地点へと向かう。
隊長は今年初のカヌーツーリング! ファルトでの川旅も久しぶりだ。
のりさんは一年半ぶりのカヌー紀行!
嫁の一人艇(アリュート)を借りて川旅に臨む。
ブランクがあるとはいえ、舟の組み立てはもうお手のもの。
息切れすることもなく組みあがった。
沈下橋の周辺も水量はまだまだ少なかった為、舟を流芯まで引っ張る。
隊長「ひゃー冷てぇー! でも気持ちええなぁー。」
先に舟へ乗り込んだノリさんは、満面の笑みでこちらを振り向き、
その大きな目をクリクリさせながら
「ひゃはー! たいちょー! やっぱカヌーは楽しいですなぁー!」
と叫んだ。
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番匠川の水はそれなりに綺麗だったが
深みや淀みでは水がかなり滞留している感じだった。
もう少し水量があれば印象も変わっただろう。。。
じつを言うと僕達は、NHK・BSで放送された
カヌーツーリング番組”にっぽん清流ワンダフル紀行”を観て
番匠川の美しさに感銘し、
そしてまた「番匠ブルー」という謳い文句に誘われ
ここまでやってきたわけだが
正直、、、「騙されたっ!」という思いがした。(爆)
しかしよくよく考えてみると、それもそうだなと思った。
楽しいカヌーツーリング番組なんだから
醜い所や辛い所や臭い所はカットし、
良い所だけをつなぎ合わせているはずなのだ。(^;^)
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こういったTVの番組編成について
漕ぎ始めて2キロほど下ったところで気付き始めた二人だったが
フォールディングカヌーでゆったりと流れているということだけで
もう良しとした。。。
のりさん「そういや、隊長と二人だけで漕ぐのは初めてやなぁ!」
隊長「そう言われれば、そやなー!」
のりさん「みんながおらんと、やっぱ、なんかこう、、、ちょっと寂しいなぁ。」
隊長「そやなぁ。。。(^;^)」
森下橋下流側の河原でお昼ごはんにする。
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食べ初めて3分ほど経った頃、
後方の山の方からゴロゴロという嫌な音が聞こえてきた。
雨が降っている訳でもなく、明るいので
この音が一度きりなら安心できるところなのだが、立て続けに聞こえてくる。
どうやらあの山の向こう側では夕立のような雷雨になっているに違いない。
”おいおい、今年の隊長とノリさんの天気相性は良かったはずじゃ!?”
と思いつつ、空模様を眺めていると
その山の向こうからこちらへ黒雲が広がってきているではないかっ!
雷が大の苦手な隊長は焦った。
隊長「ちょっとやばくない?」
雷鳴が聞こえる方をチラっと見やったノリさんは
「大丈夫やろ」とだけ言い、また平然と昼飯をむさぼり始めた。
その間、隊長は
メシ→空模様→メシ→空模様→やっぱり空模様→メシ
という順番でソワソワしっぱなしだった。
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隊長「早ようメシ食ってしもうて
向こうの橋の下まで漕いだほうがエエのとちゃうか?」
のりさん「まだ大丈夫やろ。 (もぐもぐもぐ)」
隊長「ったく!
今オレがどんなにドキドキしてんのか、分かってへんやろっ!」
のりさん「うん、わからへん。 (もぐもぐもぐ)」
隊長「。。。。。(この野郎!)
雷が苦手な者が今この状況下でどんな心境なのか
のりさんには分からんかぁ!? そんなにのんびり食うなよ!」
のりさん「うるさいなぁ〜、もお〜。 (もぐもぐもぐ)」
隊長「のりさんは”自分には落ちない”と思ってるから
そんな悠長にしてられるんやろ!
でもな、落ちへんっていう確証はどこにも無いんやでっ!
雷が苦手な人にとってはなぁ、
こんなダダっ広い河原でポツンと居ることが
メチャメチャ恐いねん! ドキドキすんねん!
う〜ん、そうやなぁ、、、のりさんが解るように説明するとやなぁ
街中でウンコ漏らしそうになるようなドキドキ感やっ!」 |
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のりさん「ぷーっっっ! (ドキドキ感の使い方まちごうてるやろっ)」
隊長「自分に雷が落ちてしまうということは
それはもうウンコを漏らすことに等しいねやっ!
そんなん絶対にイヤやろ!?
のりさん、ウンコ漏らしたくなかったらどうする?
ウンコできる場所探しまくるやろ?ドキドキしながら急ぎ足になって
ハラハラしながら逃避場所を探しまくるやろ?
それと同じくらいオレは今ハラハラしてんねん!
早よう食って避難しようやぁー!」
のりさん「おまえ、食事中になんちゅー話しだすねんっ!
そんなに騒いでる間にもう、空明るぅなってきてんで。」
隊長「えっ!?(空をキョロキョロみまわす)
ほんまや!良かったぁ〜! まるで携帯してた正露丸を飲んで
お腹の調子が治まったみたいな感じやなぁ〜。」
のりさん「もうええっ!っちゅうねん。。。」 |
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久留須川との合流地点までは、それなりに流れがあるのたが
水量が少ないためライニングダウン箇所が多かった。
合流地点以降は”水量あれど流れなし”となり、漕がねばならなかったが
なぜかたまに浅い場所が現れライニングダウンもまだまだ必要で
けっこうハードなツーリングになってしまった。。
鬼ヶ瀬井堰でのポーテージも
水量が落ち着いていたせいか舟の上げ下ろしは楽だった。
途中、舟の下を大きな真鯉が群れをなして通り過ぎて行った。
その鯉の大きさにはちょっと驚いた。
鯉ってこんなにも大きくなるんだね〜。。。
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白尾橋をくぐってからはもうトロっとろで
おまけに向かい風まで出てきてしまい、風と波に翻弄されながら下った。
ゴール地点の小田井堰までは景色も平凡で
ただ漕ぐだけ。。。さらに無心になって漕ぐだけ。だった。。。(涙)
こういう状況に置かれるとノリさんは闘志が湧いてくるのか
波をチカラでねじ伏せ、隊長よりも遥か先を漕ぎ進んで行った。。。
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しばらくして、、、隊長がヘロヘロになってゴールすると
のりさんが舟を階段の上まで持ち上げてくれた。
お互いに相手の”キツかったなぁ”という表情を見てとり
力無く微笑んだ。(^;^)
一息ついたあとノリさんのバイクにまたがり
二人でスタート地点の車を取りに向かう。
バイクに乗り慣れていない隊長は
長い直線でノリさんが速度を上げるたび、速風で顔がひきつるのだった。
車を回収後、今日は牧山温泉へ。。。
川を見下ろせる露天風呂は心地良かった。
平日の昼間っから温泉に浸かり、しかも貸切状態、贅沢だなぁ〜。。。
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この後、スーパーで”宮崎牛のハンバーグ種”を買い
帰ってから各々フライパンで焼いて食べよう!ということになった。
スーパーからの帰り道、ノリさんが”どうしても椅子が欲しい”と言い出した。
ホームセンターが近くに見当たらなかったので、釣具店に寄ってみる。
すると、ありました!ありました!折り畳み式の椅子が。
しかしノリさんはその普通の折り畳み椅子には目もくれず
展示品の三脚式ミニチェアを手に取った。
隊長「あっちのしっかりした椅子にしなよ。」
のりさん「いやや。オレはこれがええねん!」
と言いながらおもむろに値札を見るノリさん。
のりさん「うわっ!こないだ壊れたのと同んなじや!これも480円かっ。」
隊長「あかんやろっ!そんな安モン! しかも小さいし。
こないだと同じことになるで!許容重量書いてないか?」
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人の話も聞かず、スタスタとレジへ向かうノリさん。
レジのお姉さんに何か聞いている。
のりさん「コレって、もう展示品しかないの?」
お姉さん「そうなんですぅ〜。
あっ!あちらのタイプの椅子なら数ありますよ!」
隊長「ぷっ。(おんなじこと言われてるぅ〜)」
のりさん「じゃあコレください!」
隊長「だからさぁ、そんな480円ぽっちの椅子じゃあ、
あんたの体重じゃまたすぐに壊れまっせ!」
のりさん「うるさいっ! あっ、ここネジが緩んでるなぁ。
すいませーん、ここのネジをきつく締めておいてもらえますか。」
隊長「ネジの問題じゃないと思うんですけど。。。」
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こうしてまた480円の三脚式チェアを手に入れたノリさんは
キャンプ地に戻り。ちゃんと座れることを確認すると
すっかり御満悦になるのだった。
そして恐怖の一合炊きを見事に成し遂げ、うまいメシにありつくことができた。
名物の”とり天”もうまかった!
しかしやっぱりこの日も風が冷たく肌寒かったので
二人はまた早々にテントの中へ退散。
なんだか九州に来た気がしない体感温度だった。。。
”九州おっさん二人旅シリーズ”は、翌日の北川カヌーツーリングへと続く。 |