____________________06日___________________ |
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朝7時に四国を出発。
朝日に照らされて輝く瀬戸内海を、橋の上から眺める。 龍馬さんもこの海峡を通ったんやろうなぁ。
まさかここにこんな大きな橋が架かり、この高さから海を眺めることができるようになるとは
あの龍馬さんでも想像できなかったやろなぁ。。。 と思いつつ瀬戸大橋を渡り終え、西進し福山東インターで降りる。
そこからさらに国道486号線を西進し、福山の街を抜けJR府中駅へと急いだ。
というのも今回の旅の相棒が府中駅で待っているからだ。
福山の街で渋滞に引っ掛かりながら、なんとか9:30に駅前へ滑り込む。
見ると駅の出口でリュックを背負った相棒が辺りをキョロキョロと見回していた。
おっさん「おはよう!」
少年「おはようございます!」 そう、今回の相棒はミチ君です。
彼はもう中学生になったということで、広島の三次から列車に乗り、2時間かけて府中駅までやって来たのだった。 |
ミチ君が注文したチャーシュー麺
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二人とも久しぶりに会ったので、ぎこちなく喋っていると
向こうからタクシーの運ちゃんが叫んだ。
運転手「そこはタクシー専用の駐車場や、とめたらいかんで!」
おっさん「あ、はいはい。すぐ出ます!(^;^)」
府中駅の真ん前にある小さな駐車場は
タクシー専用が4台分、一般用が4台分くらいある。
ちゃんと看板が立っているのだが、おっさんはそれを見落としていた。(汗)
すぐに発進し、二人は県道48号線を南下。
ここからまた”おっさんと少年の旅”が始まる。
二人の目的は、釣りとキャンプと焚き火。(なんか平松愛理の歌みたい)
キャンプできそうな場所はないかと本郷川沿いを南下。
いくつかの広場はあったものの、いづれもチェーンが掛けられている。
散歩やウォーキングには最適だが、車の進入はお断りのようだ。
河原でのキャンプを諦め、今度は松永湾沿いに車を走らせる。
途中、良い釣り場を見つけた。(^;^)
更に車を走らせ、ちょっと気になっていた田島を目指す。
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キャンプできそうな場所はないかと本郷川沿いを南下。
いくつかの広場はあったものの、いづれもチェーンが掛けられている。散歩やウォーキングには最適だが、車の進入はお断りのようだ。
河原でのキャンプを諦め、今度は松永湾沿いに車を走らせる。 途中、良い釣り場を見つけた。(^;^)
更に車を走らせ、ちょっと気になっていた田島を目指す。
「あ、そうだ。先に買出しを済ませておこう。」 前回のキャンプでミチ君に”シチュー”をリクエストされたおっさんは
今回は何をリクエストされるのかビクビクしながら店内へと入った。
カートを押してしばらく進んだのだが、ミチ君は何もリクエストしてこなかった。 「ははぁ、前回のシチューの味に懲りてるようだな?」
そう思ったおっさんは先手を打って聞いてみた。「今夜は豚汁でどうや?豚肉は食べれるかい?」
すると少年は「はい、大丈夫です。」と答えた。 が、その目は「もぅ何でもいいよ、どうせマズいんだから。」という諦めに満ちていた。 |
おっさんが注文した中華そば
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違うんだ、ミチ君! 前回は洋食だったのがいけなかったんだ。
今回は和食だ! 日本人なら和食だろっ!おっさん頑張るからな!
リベンジを誓うおっさんであった。。。
スーパーを出てしばらく走ったところで11時をまわったので
田島へ渡る前に”中華そば・十万石”へと立ち寄る。
尾道ラーメンとか、福山ラーメンというものだろううか。。。
ちょうど営業を開始した店内に入ると、あとから次々と客が来た。
はやってるんだねぇ、この店。
スープに浮かぶ背脂が美味しくて、少年はそれをすくってはすすり飲んだ。
そしてラーメンとギョーザを平らげ、店を出た。
そこから更に車を走らせ、気付いた時にはもう田島に架かる橋の上だった。
この島へは道路橋が架けられているので車でそのまま島へ渡れるのだ。
あっという間に田島へ上陸! |
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釣りやキャンプが出来そうな場所を探しながら海岸をドライブ。
土曜だというのに、どの港や堤防も釣り人でいっぱいだ!
海と道路を隔てる堤防上ではエギンガーが竿をシャクリまくっている。
そんなに釣れるのか? 期待が高まる。
しかしキャンプに適した場所がなかなか見つからない。
浜辺らしい浜辺がある場所も、夏季以外は閉まっていたり
クレセントビーチは隣にマリーナがあるせいか
駐車料金の徴収係が寄って来て、のんびりキャンプといった風情でもない。
よし、最終手段の山頂公園へ向かおう!
島のてっぺんに着くと、そこには4台ほどの駐車スペースと
仮設の水洗トイレが2台ほどあった。
そこから公園へ至る小道には車止めがしてあったので、
車を停め歩くこと1分。 東屋と芝生が見えてきた!
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「おぉ!ここなら雨が降っても大丈夫だ!」
今日は”晴れ男”のおっさんと、”雨男”のミチ君のせめぎ合いのような
どっちつかずの天気だからな。
キャンプ地も見つかってホッとしたので、ちょっと竿を振りに山を降りる。
海岸沿いの道路脇に車を停め
竿にエギ(エビの形をしたルアー)を結びつける。
そしてそのエギをシュルルーっと放り込み
「こうやって引いてくるとイカが釣れるんだって」と言ってみせた。
が、少年の眼差しは「へ?そんなんでイカが釣れる?わけないじゃん!」
といった疑惑に満ちていた。
そして少年にその竿を渡すと
見よう見まねで竿をシャクリ、リールをカリカリと巻いた。
普段あまり釣りには行かないという少年も
この一連の動作にはすぐに慣れたようで
自分の好きな場所へ移動しながら竿を振り込んでいった。
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しばらくして満足した少年は、おっさんの元に戻ってきて竿を返した。
「やっぱりな。(釣れるわけがない)」という表情だった。。。
二人はそこからまた山頂公園に戻り、キャンプの支度を始めた。
車から荷物を運び、テントを建てる。
一人ではしんどいこの一連の作業も、少年が手伝ってくれたので助かった。
辺りはまだ明るかったが
少年はもう「焚き火!焚っき火ぃ!うぃ〜!」と叫び
落ち葉を拾い始めた。
おっさん
「今日は公園という場なので直火ではなく、シチリンの上で焚き火を行う!
辺りは落ち葉でいっぱいだから飛び火しないよう注意すること!」
少年「はは!」
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その返事はもう完全に浮き足立っており
まさに”返事だけだなコイツ”という感じだった。。。
おっさん「よし、じゃあ始めようか。」と言ってライターを渡すと
それを受け取った少年の興奮が伝わってきた。
それはたぶん”買ったばかりのプラモデルの封を開ける時”のような
”ジグソーパズルを作り始める時”のようなドキドキに似ているのだろう。
拾い集めた落ち葉をシチリンに放り込み
火をつけるとアッという間に燃え上がった!
その瞬間の少年の瞳といったら、、、
とても少年のお母さんには見せられないだろう。
きっと「それくらい集中した眼差しで勉強しなさい!」
と言われるだろうから。。。
持って来た薪を一本づつ火にくべると炎はだんだん大きくなりユラめいた。
陶酔しきった少年は、時折り炎に手をかざし
中国雑技団のように「ハイ!ハイぃー!」と叫んだ。
焚き火に夢中の少年から少しだけ離れ、料理を始める隊長。
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山頂から見える内海大橋と千年港
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今夜は”隊長風豚汁!”
といってもそれは調理らしい調理をする訳でもなく
切る・放り込む・煮る だけの、いわく付きの豚汁だった。
だから夕飯の準備もすぐに終わり
あとは飯を炊けばいいだけの状態になった。
おっさん「お客さん、食べ始める30分前に知らせてくれるかい。」
気分はもう”深夜食堂”マスター役の小林薫だ。
辺りは益々暗くなり、炎がいっそう美しく映る。
陶酔からふと我に返った少年が「おじさん、もうできた?」と言った。
おっさん「お客さん、もう食べるのかい?」
少年「うん。」
おっさん「よし。じゃあ今から”不思議なめし袋”で
ごはんを炊くから30分くらい待ってくれるかい。」
少年「へ? 何それ?!」 |
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おっさん「この小袋に米を入れて煮れば、あら不思議
おいしいごはんの出来上がり!というわけさ。」
疑惑の眼差しで説明書を読み始める少年。
少年「ふ〜ん。 このカップ一杯で一合炊けるのか。。。」
シャーーー! めし袋に米を入れる隊長。
おっさん「一合ってこんなもんか? まだ袋に余裕あるやん。」
そう言ってさらに米を詰め込むおっさん。
シャーーー!
少年「あっ!」
おっさん「えっ!? 何?」
少年「おじさん、あまり一杯に入れるとホラ、お米って膨らむでしょ。
袋が破れないかな?と思って。。。」
おっさん「ハっ! (冷汗)」
少年の冷静沈着な指摘に、顔を赤らめるおっさんであった。。。 |
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ジャジャーン! ヘッドライトぉー!
おっさんのお古を装着した少年は、これで何不自由なく活動できる。
オシッコも一人で行けるのだ!
おっさんは近頃
モンベル・コンパクトヘッドランプ
を使っている
このランプはLEDだけでなく電球もついており
この電球色が温かい雰囲気をかもし出してイイ!
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めし袋をお鍋に入れ、グツグツ煮ること30分。
湯から上げると、袋はパンパンに膨れていた。
危ない、危ない。 ミチ君の言う通りだった。(汗)
ご飯を蒸らす間に、豚汁を温めなおす。
「よし、出来たぞ!」
愛する焚き火にしばし別れを告げ、席に着く少年。
おっさん「らっしゃい!何か食べたいものはあるかい?
出来るもんなら何でも作るよ。」
小林薫をマネるおっさんを無視し、食べ始める少年。
少年「いっただきまぁーす!」
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おっさん「どうだい?ちゃんと炊けてるかい?」
少年「うん、大丈夫! てか、これ美味しいよ!おじさん。」
こんな小袋でご飯が炊けるとは予想だにしなかった少年は、その驚きを隠さなかった。
おっさん「へいお待ち!」 豚汁をよそって渡すと、少年は丼を抱え込み、喰らい付いた。
子を持つ親の気持ちは解らねど、ヒナに餌を与える親鳥の気持ちくらいは解ったような気がした。。。 |
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豚汁の具もほとんど無くなり、お腹いっぱいになった頃
炎がくすぶっていることに気付いた少年は慌てて
愛する焚き火の元へと駆けつけるのだった。。。
種火にフーフー息をかけ、必死の形相で炎を立たせる少年。
おっさん「ミチ君よ、次のキャンプまでには
”火吹き竹”か”うちわ”が必要やな。」
少年「うん。」
さて、次のキャンプまでに少年は何を準備してくるのだろうか。。。(^;^)
ユラめく炎を眺めながら、二人はいっぱい語り合った。
そして朝のぎこちなさが嘘のように笑った。
最後の一本となった薪が燃え尽き、白い灰になりかけている。
ダンボールをビリリとちぎり、その切れ端で仰ぐと
静かな置き火は赤々と膨らみ、宝石のように輝いた。 |
「さぁ、もう寝るか?」 と言っておっさんがテントに入ろうとすると、少年がつぶやいた。
「あっ、星がいっぱい!」 慌ててテントから這い出すと、満天の星空だった。。。
「おぉ、すげえっ!」 ちりばめられた星たちは、さきほどの置き火とはまた違った輝きを放っている。
その光を見た瞬間、おっさんはなんだか心の底からスカッ!とした。
今まで仕事のことで鬱屈していた気分が晴れたのだ。 ”気が晴れる”とは、こういう事をいうのだろう。。。
テントに戻り、充分な防寒対策をしてくるまる。
おっさん「おやすみ」
少年「おやすみなさい」
少年が何やらゴソゴソしている。 見るとヘッドランプを灯したままテントのフックに吊り下げようとしていた。
おっさん「それ、点けて寝るん?」
少年「あ、はい。 いつも豆球を灯けて寝てるので。。。」
おっさん「ミチ君、ここは家じゃないんだぞ。(^;^) 暗くてもおじさんが居るじゃないか。
ホラ、虫たちも気持ちよさそうに鳴いてるじゃないか。 安心して寝ろ。」
意外とすんなりおっさんの言うことを受け入れ、ライトを消し寝袋にくるまる少年。 ずいぶん大きくなったもんだ。
なかなか寝付けないのでは?というおっさんの心配をよそに
3分後、少年はイビキをかきはじめるのだった。。。 (どないやねん!)
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____________________07日___________________ |
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朝陽と少年
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翌朝。 薄明かりで目が覚める。
あぁ、もう夜が明けたか。。。 もう少しウトウトしていたい
と思っていると、少年が立て続けに寝返りをうった。
そしてムクッと起き上がり、視線が合った。
おっさん「おはよぉ。」
少年「おあよぉございまず」
おっさん「寒くなかった?」
少年「はい、ぜんぜん大丈夫でした!」
外は寒いだろうけど、今日は朝から釣りをするので
これを機にシュラフから出る。 ふぅううう!少し震える。
朝もやが薄っすらと立ち込めていた。
おっさん「ミチ君、その格好は寒いやろ?
君の母さんには”はおるもの”を持ってくるようにと
伝えてたんだけどな。ジャンパーとか持ってきてないの?」
少年「うん、これを持ってけ!って。」
見るとフリース素材のブランケットだった。(君のお母さんらしいわ)
たしかに”羽織るもの”だが、女子じゃあるまいし。それじゃ寒いだろ?
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急いで豚汁の残りを温めなおし、冷凍うどんを放り込む。 朝飯は”隊長風豚汁・讃岐仕立て”
少年は美味しそうに平らげ、白い息を吐いた。
身体が温まったところで撤収開始! 中学生になったミチ君は重い荷物をワセワセと運んでくれるので助かる。
公園をあとにし、釣り場へと車を走らせる。
田島の堤防をいくつか周ってみたものの、サヨリ釣りやママカリ釣りや投げ釣りをする人で混雑しており
我々が狙っているサヨリも、言うほど釣れている雰囲気じゃなかった。
ゆえに田島をあとにし、昨日見つけておいた湾へ向かうことにした。
朝早く出発したこともあり、干潮ということもあってか、その釣り場に人影は無かった。
「よしよし。我々が一番乗りのようだ。では遠慮なく。」 そう言って突堤の先端に陣取った。 |
寄せエサを放り込むとバチャバチャと集まってくるサヨリ
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さっそく仕掛けをつけ、カゴにアミエビを入れ投入してみる。
ウキがツンツンと震える。しかしいくらたってもウキはグイとは沈まない。
「針が大きすぎたかな?」
仕方なくツンツンのタイミングに合わせ竿を立ててみるが
やはり針に掛からない。
そこで、針に掛かるまでしっかり食べさせようと待ってみるのだが
ツンツンという当たりすら無くなってしまった。
そうこうしてる間に潮が満ち始め、それに伴い釣り人の数も増えていった。
二人が竿先に集中していると、爺さんが近づいてきて
「タモ持ってないか?」と言った。
おっさん「持ってないっす。」 |
爺さん「タモ持ってないんか?」
おっさん「だから持ってないっす!」
爺さん「あちゃー、そうかぁ。 じつは仕掛けを海に落としてしもてのぉ。 竿で取れんかのぉ? ちょっと竿かしてくれんか?」
はぁ? 何でお前に大切な竿を貸さなあかんねん? 自分の竿使えやアホ!と思い、ちょっとイラッっときたおっさん。
「どこに落としたん!?」
爺さん「こっち、こっち。 この堤防の真下に、見えるか?」
おっさん「どこ?」
胸の高さまである堤防なので、真下がよく見えない。 そこで身を乗り出して見ると、ありました!仕掛けが2袋浮かんでる。
爺さん「わしの竿じゃ短いから、あんたの竿で取れんかのぉ?」
アホかジジイ!? あんなもん、どやって竿で取れるんじゃ。 届かへんわ!という衝動を抑えつつ
「爺さん、イカリ針とか持ってないん?」と聞いてみる。
爺さん「何それ?」
おっさん「こんな形状の針や。」(形状を手で表す)
爺さん「持ってないわぁ。 タモがありゃあ、えんじゃけど。 持ってないんか?」
おっさん「だから持ってない言うてるやん!」(しつこいなぁ)
そこでおっさんは「ちょっと待っとき」と言い、我々の陣地に戻り道具箱からイカリ針を取り出したあと、また爺さんの元へ戻った。 |
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糸の先にイカリ針をつけ、堤防から少しだけ竿を出す。
そしてその針をツツーと垂らしてゆく。
海面に漂う仕掛けに、そっと針を近づける。
しかし、堤防の真下にあるので見えにくい。
堤防に上半身を乗り出して覗きこむこの体勢もしんどくなってきた。
爺さん「堤防の上に登ったらええが。」
おっさん「チッ!」 俺は高所恐怖症なんだよっ!
と言いたかったが、とても恥ずかしくて言えない。無視。無視。
このあと爺さんは同じ事を3回くらい
この高所恐怖症の私に向かって言ってきたが
全部無視してやった。(なんと腹立たしいジジイか)
おっさん「UFOキャッチャーの要領で釣り上げたるわ。」
爺さん「。。。。。」(無反応)
なんで無視やねん!
どうやら爺さんはUFOキャッチャーの意味が解らなかったようだ。 |
きまづい空気の中、落とした仕掛けを1つ引っ掛けあげることに成功!
爺さん「おぉー!ありがとありがと!やっぱ道具やのぉー!」
はあ? いやいやいやいやいや、道具じゃねーだろぅよ! オレの気転と技能やろっ!?
このジジイ、さっきからオレの感情を逆なでしやがるなぁ。
「あっ、手が滑った!」と言って、もういっぺん海に落としてやろうか!ったく。。。
こうしてもう一つの仕掛けも回収に成功し、ジジイは大喜び! 「ありがとのぉ!やっぱ道具じゃのぉー!」と感心しきりだった。
世話の焼けるジジイだ。。。 たまに居るよね、何の悪気もなく相手をイラつかせる天然野郎。。。
気を取り戻し、サヨリ釣りに集中!
隣の爺さんや、その向こうに居る先程のジジイがポツリポツリと釣り上げ始めた。
見ると、仕掛けと釣り方が我々とは少し違うようだった。 |
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しゃーない、今日は”釣れない釣り”を楽しもう!
そう思い、開き直って座り込んでいると
その惨状に見かねた紳士が「どう?釣れてる?」と声をかけてきた。
おっさん「いやぁ〜、釣れないっす!(恥)」
紳士「そのカゴ、外した方がええかもしれんね。
エビカゴがあるとサヨリはカゴのエビにばっか寄ってくるから。
エビは足元にポンと撒き、そこに仕掛けを投入したらいい。」
なるほど。。。 ものは試しにやってみる。
と、その途端、、、ミチ君がサヨリを釣り上げた!
おっさん「うわ、ホンマや! ミチ君、このおいさんの言う通りやな。」
←嬉しそうな少年。
その後もこの紳士は
「針にアミエビの大きい奴をチョン掛けした方が釣れやすい」とか
地元でのサヨリの釣り方とか、撒き餌の配合などを
細かく教えてくれるのだった。。。 |
少年はこのあともポツリポツリと釣り上げたが、おっさんはなぜか一匹しか釣り上げることが出来なかった。
先程のジジイといい、なんと不運な一日なのだろう。。。
少年「おじさん、場所変わってあげようか?」
おっさん「。。。。。 言うねー、ミチ君! (悔しい)」
この後も何人かの釣り人が近づいてきては、気さくに話しかけていった。 中にはこの釣り場の常連らしい人もいて
互いに「○○さんは来てないん?」とか「あぁ、まだ見てないなぁ。先週は来てたけど。」などと話している。
さらに向こうでは、若者がキャッキャ言いながら釣りに興じている。
女子の奇声のような歓声も聞こえ、賑やかだ。 魚釣りって、やっぱ娯楽なんだなぁ。。。 |
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と和んでいると、その若者たちの隣に居たジイサンが
「君らなぁ、もうちょっと静かに釣ろうや!
そんな大声で騒いでたら魚が散ってしまうがな。」
と説教をたれていた。
そんな奇声くらいでサヨリが散るもんか。
ジイサンがイラついてる理由は、たぶん他にあったはずだ。
例えば、己が釣れてない鬱憤をぶつけただけなんじゃないだろうか?
もしくは本当にその若者が迷惑な投入の仕方をしていたのかもしれない。
いづれにせよ、お互い気まずいだろうに。。。
こういう一般的(大衆的な)釣り場ではそういうのが有りき
と考えて挑むのが真の釣り師だと思うけどね。
このジイサンのやってることは大衆居酒屋で
「君たち、もう少し静かに飲もうや」と言ってるようなものだ。
お互いに周りの人のことを考えずに行動するとこんなハメになる。。。
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立派な酒の肴になった
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電車の時間をふまえ、そろそろ片付けに取り掛かる。
なんだか久しぶりに釣りを楽しんだなぁ。。。
堤防の上では知らない人とも交流できるし
皆、人間らしい一面を見せるし。
そこには何かこう言葉では表せない、温かい空気が流れていた。。。
先程の紳士に礼を言い、波止場をあとにする。
こうして
またしても”釣り対決!”は、少年の圧勝に終わった。。。(涙)
車に乗り込み、どこから帰ろうかな?と地図を見ていると温泉を発見!
帰り道から少し寄り道し、新原田温泉・ゆうじんの湯へ。
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潮臭くなった頭を洗い、サッパリした面持ちで風呂を出た。
そこからまた車に乗り込み、府中駅に着くと
電車の時間には、まだ充分余裕があったので、この近くで昼めしをとる。
かねてから食べてみたいと思っていたB級グルメの府中焼きを食べに
”平の家”に行くと、満車状態だったので、街中の”福福”へ行く。
二人とも府中焼きを注文し、少年はチーズをトッピング。
おっさんはめんたいマヨをトッピング。
とびきり!というほどではないが、普通においしいお好み焼きだった。
そして発車時刻の30分前には駅に戻ってきた。
ここから少年はまた一人で三次へと帰る。
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おっさん「今度会うのは来春だな。 それまでにはサヨリの仕掛けを作っておけよ。 じゃあな!(^;^)」
少年「あ、はい。 ちょっとトイレ行ってくる。」
おっさん「なんじゃそりゃ。」(ズッコケる) 少年はトイレへ一目散に駆けて行った。
かと思うとまた一目散に駆け戻って来た。
少年「とと、トイレットペーパーがないよ!」
なんや? 大か? 大きい方か?
おっさん「慌てるなミチ君、おじさんは何でも持ってるぜぃ」
そう言って残り3分の一ほど巻かれたトイレットロールをポケットから取り出してみせるおっさん。
「ワイルドだろぉ〜?」
無言でペーパーを奪い取り、トイレに駆け込む少年であった。。。 (おっさん無視かっ!)
少年がトイレから戻ってくると、ちょうど三次行きの列車がホームへ入ってきた。
ここで”おっさんと少年の旅”は終了! 来年はどこへ釣り対決をしに行こうか? 楽しみが広がるおっさんであった。。。(^;^) |