_________________前日の出来事________________ |
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「たたた、たいちょー!鳥取砂丘の横を流れる千代川なんてどうよ!?」
というノリさんの甘い誘惑に誘われ、ノコノコと鳥取にやって来た隊長。
しかし仲間が揃うのは明日以降となる為、今日は情報の少ない千代川の下見をすることにした。
そして、まぁ9割方調べ終えたところで辺りは真っ暗になってしまった。夏と違って陽が落ちるのが早い。(悲)
風邪気味のせいか物凄い眠気に襲われた為、即野宿地へ戻ってテントを張った。夕食もそこそこに就寝。。。
それからどれくらいの時間が経ったのだろうか?車のドアを閉める「バンッ!」という音で目が覚めた!
「あっ、のりさん達が来たのかな?」と思い、寝床から出ようとすると、
「あっ、すいません。誰か中に居られますかぁ〜?」とテントを電灯で照らされた。
思わず、「あ、ハイ!おります!」と返事する。
「ここでキャンプですかぁ?ちょっと出てきてもらえますかぁ?」
「あっ、はい!」(ゲッ!思いっきり職務質問パターンやんけっ!汗)
慌ててテントから出ると、思いっきり顔面に照射された。(ま、ま、まぶしい。。。)
「え〜、砂丘署の者ですけど、アンタ仕事は何してはるの?30過ぎのエエ歳した男がこんなところで一人で何してん?」
「うあわぁ、眩しいなぁぁぁ。。。」
(砂丘署ぉ〜? 何してはるの?って言われてもなぁ、、、何してん?って。 ん? なんやこの関西弁は?オレ寝ボケてんのか?)
目を擦り、擦り、 よぉ〜く見ると、、、のりさんだった。。。
「てめぇ!いい加減にしろよコノヤロぉ! ビックリしたやんか! ただでさえ職務質問されんのによぉ。。。ったく。」
正気に戻った途端、外の寒さが一気に身にしみてきた。
のりさんから酒をブン取り、それを流し込むとまたそのまま寝入ってしまった。。。
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___________________3日__________________ |
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千代川のほとりで朝を迎える
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薄明かりの朝は、さすがに寒い。(ブルブルッ)
テントから出られず、シュラフの中でモゾモゾとする。
やがて、お陽様がクッキリと地面を照らし始め、暖かくなってきた。
テントから顔を出すと、良い天気だった。
昼頃には暑くなりそうな予感。。。
本日は海釣り対決! 川での捕獲合戦で
毎回のりさんに辛酸をなめさせられている隊長だが
海釣りでは負けていられない!
鼻息も荒く、鳥取港へ車を走らせた。
絶好の釣り日和とあって、突堤も岸壁も釣り人で溢れかえっていた。
ただ、そのいづれも動きがない(釣れていない)のが残念なところだ。
どこで釣ろうか?という話になったが、隊長は内心どこでも良かった。
というのも、隊長には持って生まれた海釣りの”腕”があり、
海との相性がとても良かったからだ。
”弘法、筆を選ばず”というのと同じく
隊長には”腕”があるので、場所はどこでも良かったのだ。 |
のりさん「う〜ん、こっち側は釣れんなぁ〜。
反対側で釣ってみるか?」
モコさん「。。。。。(釣りに没頭しすぎて聞こえてない)」
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しかしノリのさんは、そういう訳にはいかなかった。
「う〜ん、ここもなんだかなぁ〜。。。あっちの方に行ってみようぜ!」
「あぁ〜、ここもなんだか釣れそうな気がしないなぁ。。。他へ行こ!」
と言いながら3人で迷走した挙げ句、「もうここでええやろ!」と、
”釣れそうにないが釣りやすそうな場所”に座を構えることになった。
のりさんとモコさんは、のべ竿を手にシンプルなウキ仕掛け。
オキアミ(2cmくらいのエビのこと)をエサに雑魚を狙う。
あっ、いや、根魚を狙う!(汗)
柔らかい”のべ竿”で釣ると
小さな根魚でも竿がビクビクー!としなるので、けっこう楽しめるのだ。
雑魚釣りの繊細な駆け引きもまた楽しいじゃないか!と言うところは
”うはうは隊・讃岐本部”の川竹隊員に相通づるものがあるようだ。
隊長はサビキ仕掛けでアジを狙うことにした。
なんてったって、この夜やってくるカズケイさんに
「海の幸を楽しみにしてま〜す!」と言われているのだ。
ボーズでは済まされない!しかしこのプレッシャーも
”海釣りの腕”を持つ隊長にとっては、全然重荷ではなかった。 |
僕らの堤防の先端では、古老達が4、5人かたまって、サビキ仕掛けでアジを狙っていた。
そのいづれもが、見るからに「オマエら毎週ココに来て釣ってるやろ?」というようなオジイばかりであった。。。
サビキ釣りは、かたまって釣るのが一番効率がよい。
だから隊長もその一団に入って行って釣ればいいのだが、狭い釣り座は満員状態であった。
混み合った所が嫌いな隊長は、あえて違う場所へ仕掛けを投入した。
しかし、相変わらず周りに動きはない(釣れていない)。 丁度、満潮になったようで潮も止まっていた。。。
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そんな中、海の女神は”関西弁チーム”に微笑んだ。
のりさん夫妻はテトラの中からいろんな種類の魚を釣り上げ始めた!
その怒濤の攻撃の一部始終を見よ!
のりさん「あっはは〜。 たいちょー!
こんなん釣れたでぇ〜! これ何点?」
隊長「う〜ん、それなぁ。。。1点くらいちゃうか?」
のりさん「えぇ?なんて?10点?よーし。よーし。」
隊長「自分で決めるんなら、最初から聞くなっ!」
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のりさん「見て!見て!今度はこんなんが釣れたで〜!
めっちゃデカくねぇ? これ50点くらいやろ?」
隊長「なんでそんなグロい魚が50点やねん!」
のりさん「じゃあ30点でいいよ。」
隊長「なんか騙されてるような気がする。。。」
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のりさん「わぁ〜い!私にも釣れたでぇ〜!
見て!見て!めっちゃ大きくない?
こりゃ今日も私らの勝利ちゃうか?」
隊長「おぉぉ〜!やるなオヌシ!」
(内心、焦っている)
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のりさん「うへぇ〜!また釣れてもうたがなっ!
隊長との、この差はなんや?
やっぱ腕が違うんかなぁ〜?
いや、素質が違うんかなぁ〜?うひひ。」
隊長「。。。。。。。。」
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のりさん「うはっ!また来た!
見て!見て!今度はこんなん釣れたでたいちょー!
も〜う、釣れ過ぎちゃって困っちゃう!
ってか、隊長は何してん?
ちゃんとエサ付けたんか?ハリは付いてるか?」
隊長「うっせーよ!もぅ!
ってか、いちいち見せに来んでえぇから!
そんなちっちゃい魚ばっか見せられてもリアクションに困るわ!」
のりさん「わっ!でたよ。 ”負け惜しみ”でちゃったよ!ほら。」
モコさん「ほんまや。大人げなぁ〜い!(^;^)」
隊長「大人げないのはどっちや!」
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と、そのとき! 先端のオジイ軍団に活気が出てきた!(釣れ始めたのだ)
このままノリさんにバカにされ続けるわけにはいかない!
恥も外聞も捨てた隊長は、慌ててオジイ軍団のいる方へ仕掛けを投入した。
と、絵に描いたようにウキが沈んだ!(どんな絵やっ!?)
こぶしほどの大きさのウキが一瞬にして消えるこの瞬間がサビキ釣りの醍醐味だ!
6本バリなので、何匹かかるか分からない。 ゆえに少し間をおいて合わせを入れる。
体中が熱くなっていく。夢中でリールを回し引き寄せる。 「おっ、重い!」
ここ何年か味わっていない感触だ! リールがギシギシと唸りを上げる。 重すぎて少しづつしか回らない。
慎重に引き寄せると、なんと!アジが3匹掛かっていた! |
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よいしょー!っと、堤防の上に釣り上げると
そこに呆然と立ちつくすノリさん夫妻がいた。
隊長の竿があまりにもシナっていたので慌てて見に来ていたようだ。
しかし驚いたのは隊長も同じだった。
瀬戸内のアジに比べて格段にデカイ!さすが日本海だ!
口をポカンと開けたままの二人に隊長はカッコよく言ってやった。
「ここからが本当の釣りだ!
ちょっと忙しくなるから手伝ってもらえるかな? ふっ。。。」
アジの群れに当たれば、もぅこっちのもんだ! ここからは
仕掛け投入→釣り上げる→ハリから外す→エサを付ける→
仕掛けを投入。の繰り返し!のハズだった。。。
しかし、あとが続かなかった。
何度かアタリはあったものの、うまくハリ掛かりせず。
かと思えば、投げた途端ブチッ!っという音とともに
仕掛けだけが遙か彼方へ飛んで行ってしまったり。 |
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仕掛けを再度作り直すも、魚信は途絶え
ついにはエサもなくなってしまった。。。
ここで橋さん親子がやって来たので納竿とし
鳥取港海鮮市場”かろいち”へ行くことにした。
市場でサザエ・イカ・エビを仕入れた後、
船岡美人温泉で汗を流し、野宿地へ戻った。
野宿地に着いて間もなくカズケイ夫妻が到着。
みんな揃って、楽しい晩餐の始まりです。
食卓には海鮮市場で仕入れた海の幸と
隊長の釣り上げたアジが並んだ。
かずねぇ:「すごい!たいちょーって、魚さばけるんや!?」
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隊長:「うちの母がこういうの苦手なので、
いつの間にか自分でさばけるようになってました。」
のりさん「しかし、その刺身ホンマにだいじょーぶかぁ?
リオちゃんが”石の上でさばいてた”って言うてたでぇ!」
橋さん「えぇぇー!マジで?大丈夫ぅ?」
もこさん「ジャリって言わへん?なぁ?」
隊長「机の上でさばくと、
その辺りじゅう魚臭くなるから川っぷちで捌いたのさ。
まな板が臭くなるといけないからウロコと内臓を取る時だけ
大石の上で行い、その後キレイに洗ってから、まな板の上で
皮をはがして捌いたというわけさ。
文句ばっか言うなら食わんでよろし!」 |
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のりさんが買ってくれたイカ刺しは
さっぱりして旨かったなぁ。。。
橋さんが焼いてくれたエビも
味がしっかりしていて旨かったなぁ。。。
けいにぃが焼いてくれたサザエは
火加減が絶妙で美味だったなぁ。。。
今日は”海釣り対決”にも勝利したし
海の幸も食えたし、なんかエエ気分やなぁ〜。。。
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「お互い、いろいろと大変だったね。。。」という表情で
まんじりともせずに火を見つめる二人。
何か、この二人にしか分からない
相通づるものがあるのだろう。。。(爆)
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のりさん「あっははぁー!何をそんな辛気くさい顔してんねん!?」
橋さん「そっちこそぉー! アハハハ〜!」
すっかり寒くなった夜。
焚き火を囲んで、笑顔と酒が絶えなかった。。。
明日は、いよいよ千代川をカヌーで漕ぎ下ります。
”06-11-04千代川”へ続く。。。
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