____________________03日___________________ |
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隊長にとって前厄にあたるこの年、秋に転職したものの相変わらず忙しい日々が続いていた。
「今年は仕事に時間を割かれ、思うように遊べなかったなぁ。 もう12月か、、、カニ食いてーな。」と思いつつ
ツーリングマップ本を開き、新鮮な松葉ガニを入手できそうな中国・近畿地方の日本海側の河川を調べる。
我々が未漕の川はないものか?と探していると兵庫県の北に円山川を発見! 下流域は流れが穏やかとある。
もう冬だしなぁ、沈したくないから丁度いいや。 ファルトでのんびり漕ぎ下ろう。
近くには城崎温泉もあるじゃないかっ! よし!土曜は観光と下見で、日曜はカヌーツーリングをしよう。 |
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土曜のお昼に道の駅・但馬楽座に到着した隊長
そのあとすぐにケイにぃとカズねぇ(二人合わせてカズケイさん)もやって来た。
駅内の”物産センター”に入ると
松葉ガニやセコガニがイケスの中でモゾリ、モゾリ、と動いている。
それを見た3人は顔を見合わせ
何も言わなくとも「晩ごはんはカニづくしで決まりでしょ」と理解するのだった。
カニの値札を見ていると、足が1本でも折れて無いカニを”折れ”と呼び
割安になっていることが解った。 1本無いだけでこれだけ安くなるのか。
迷わず”折れ”の2匹セット購入!
セコガ二は一匹2百円くらいだったかな?これも安いので購入!カキも購入!
(次の日、円山川沿いの国道に立ち並ぶ何軒かの海鮮直売店に
寄ってみたが、この道の駅が一番お手頃価格だった)
ここから昼飯を食べに出石町へ向かう。
出石の街には”出石そば”という皿ソバ屋が多い。
この出石そばの配膳スタイルや食べ方が面白そうだったので行ってみる。
出石の街に入ってすぐ、道沿いにあった「そば処・出石城」へ入る。
駐車場も有り入りやすい。 店内は客で賑わっており、清潔感が漂う。
さっそく”出石そば”とやらを注文してみた。 |
今回は車2台での移動の為、酒を飲むことが出来ない二人
↓その目には悲しさが漂い、テンションも低い。。。↓
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しばらくすると、机の上に”ソバが盛られたお皿”がいっぱい並んだ。
まずはソバ本来の風味を楽しむ為、ダシにつけるのは少しだけに留めて食べる。
「う〜ん、お蕎麦だね。冷水でシメられた麺は歯ごたえが有り美味しい」
次は薬味を入れて食べる。
「う〜ん、普通にうまい!」
最後は出汁に卵を入れて食べる。
「う〜ん、何がなんだか解らない味になってしまった。(汗)」
隊長は投入した卵を出汁の中で思い切り掻き混ぜて食べた結果
自分好みではない味になってしまった。(涙)
あとで思ったのだが、これは黄身だけを入れ
あまり掻き混ぜず(黄身をつぶす程度で)食べれば良かった。
出石そばのようにいくつもの皿が並ぶと
一人前なのになんだか豪華で、小分けにされたソバが粋に見えてくる。
配膳された時から食べ終わるまでが1つのアトラクションのようだった。
昼食後、円山川河口にある気比の浜キャンプ場(冬期は無料)へ行き
タープと薪ストーブを設置する。 |
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そこから見える冬の日本海はやはり悲しく、厳しい波音だった。
ブルッと身震いしたあと、城崎温泉へと急いだ。
温泉街は、さすがにその名がとどろいているだけあり活気に溢れていた。
この辺の街並みは昔とさほど変わっていないのだろうが
車社会となってしまった現代では
その道幅に車と人が溢れ、窮屈そうに感じられた。
こういう街並みの中では、やはり車は似つかわしいものだな。。。
城崎温泉駅の方から車で来ると
道なりにある”一の湯”前の橋をつい渡ってしまいそうになるが
それを渡らず更に直進すると駐車場がある。(1時間以内は無料)
そこから車を降り、一の湯へと向かう。 歩いてすぐだった。
趣きがある建物で、洞窟風呂がいい雰囲気だった。
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風呂上りに温泉街を散歩。
ケイにぃ「うわぁ〜、この旅館、風格あるなー」
カズねぇ「こういう所に泊まりわ!」
隊長「高そうやなー! 一泊いくらするんやろなぁ。」
3人が門の前で感心していると
中から旅館の浴衣を着た二人連れが出てきた。
それはどう見ても
”付き合って半年のチャラチャラした大学生カップル”だった。
カズねぇ「なんであんな小娘がこんなとこに泊まれんねん?」
ケイにぃ「ほんまや! ワシらこの歳で野宿やぞ!」
隊長「ああ見えてどこかの御曹司だったりして。DAIGOみたいに」
格差社会の現実に打ちのめされる3人であった。
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隊長「しかしああいうのが出てくるところを見ると
その旅館の印象が大きくダウンするもんだね〜。
ねぇ、 あれ? カズケイさん!?」
見ると二人はその先にある”生ビール販売所”に立ち並び
こちらを見てニヤリと笑った。
隊長「目ざといなー!」
カズねぇ「酒飲まなきゃ、やってらんねーよ!」
ケイにぃ「えへへへ〜。 たいちょー、帰りの運転よろしくぅ〜」
隊長「。。。。。」
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キャンプ地に戻り、薪ストーブに火を入れる。
←カニで遊び始める隊長
「ウィ〜ン、カシャ! ウィ〜ン、カシャ!」
「パシパシ、ガシャ、シャキーン!」
園児かっ!
まだ生きているカニの足をボキボキと引っこ抜く。
この行為に自分自身が抵抗を感じていることに気付いた。
そうだった。我々は生きものを殺して食べて生きているのだった。
現代社会に浸っていると根本的なところを忘れそうになる。。。
この夜、雨が降り始め
風も強かったが、タープの中は天国だった。
スクリーンタープと薪ストーブ、我々にとっては魔法の道具だ!
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こちらの大きいのはズワイガニのオス 和名で松葉ガニと呼ばれる。
この松葉ガニも獲れる地域によって”越前ガニ”とか”柴山ガニ”とか
”香住松葉ガニ”とか”津居山ガニ”と呼ばれ
ブランド蟹として高値で取り引きされる
←左の写真にある小さいのはズワイガニのメス
セコガニと言い、他にも地域により色んな呼び名がある。
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白い身に、カニ味噌を塗りたくって食べる幸せ。
このあと甲羅酒に酔いしれる贅沢。
ぷりぷりのカキもこの時期ならでは。
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姫「こうやって食べるとやっぱりおいしいわね。
ジイやのおかげで食べやすいわ」
爺や「それは良かった。こういう事はわたくしめにお任せください。
姫にはケガをされても困りますしね。
(しかし私はいつ食べてよいのだろう。。。涙)」 |
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セコガニは小さくて足も細い。
一見すると「いったいにどこを食べるというのか?」と思ってしまうのだが
食べてビックリした! いいダシが出るし
その腹の内側には黄金でも隠し持つかのようにウチコがギッシリ!
このウチコが非常にウマい!
セコガニを完全に侮っていた隊長。
物事を外見だけで決め付けてしまっては
自分が損するのだなと改めて気付いた。
←写真に見えるオレンジ色のつぶつぶ集合体は外子。これは特に味は無い。
毎年カニでシメるのも有りだな。。。
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____________________04日___________________ |
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翌朝。 けっこう遅めに起きる。
タープの中でコーヒーを飲みながらまどろむ3人。
隊長「昨夜は雨で、今日も良くない天気予報だからカヌーは中止にしようか。」
カズねぇ「そやなぁ。 そう思ってたから、ゆっくり朝寝しちゃったし」
ケイにぃ「じゃあ、今日はコウノトリでも見て帰りますか?」
キャンプ地を撤収し、朝から円山川温泉へ。
露天風呂はこの時季、外気温が低いせいで
湯温も”ぬるい”を通り越し、冷め冷め。
風邪をひきそうな位だったので内湯でホッコリ。(^;^)
朝からのんびり、湯につかる幸せ。。。
その後、ケイにぃがどうしても見たいというコウノトリの郷公園へと向かう。
なんだ!? ケイにぃ、4人目が欲しいのか?(爆)
ガンバレー! カズねぇ。(^;^)
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まるで置き物のようにたたずむコウノトリ。
ケイにぃ「うわー、いっぱいおるやん!飛ぶところ見たいなー」
隊長「ほんまやなぁ。 だけどこの囲い、横も上も開きっぱなしだね」
よく逃げないものだなー、と思い上空に目をやると
コウノトリらしき鳥が天空を舞っているではないかっ!
なんというタイミングの良さ!
誰かが影でコウノトリラジコンでも飛ばしているのか?と疑うほどのタイミング。
高い位置からグールグルと弧を描きながら、ゆっくりと降りてくる。
最初小さく見えたその姿も、だんだんと大きくなり、素人の私が見ても
「ありゃコウノトリだな」と判別できるほど美しい飛行姿だった。
格好のシャッターチャンスに周りの客も色めき立つ。
みんな空を見上げ、指差したりカメラをかざしている。
その姿を、第三者的に冷めた目で眺める隊長。
「あ〜、みんな上向いてる。おもろい光景やなぁ。鼻の穴丸見えやで。」
そしてそのコウノトリは目前の緑地にスーッと着地。 |
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その瞬間、鳥たちを驚かせないよう配慮した”静かな歓声”が上がった。
それにしても気持ちよさそうに飛ぶなぁー。
♪い〜ま〜、わたしの〜、ねが〜いごとが〜、かな〜う〜な〜らばぁ、
およ〜め〜が〜ほし〜い♪ (爆)
ケイにぃもすっかり満足したようなので、昼メシを食って帰ることに。
近頃スマートフォンに買い替えたカズねぇがネットを駆使しお店を探してくれる。
「検索なら私にまかせて!」と言うカズねぇは
情報化社会に乗り遅れることなくスマートフォンを使いこなしエラいなぁ。
しかしやはり歳のせいか、
ディスプレイの文字が小さくて見づらいらしい。。。(^;^)
んで、豊岡の街で入ったお食事処、店名なんだったっけ?
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