ふと、カズねぇがこんなことを言っていたのを思い出した。
「むかし、ビール会社の工場見学で飲んだビールは美味しかったなぁ〜。。。」
さらにケイにぃも、「ありゃうまかったなぁ〜、何杯でもイケたもんなぁ〜。。。」と遠い目をしていた。。。
そんなに美味いのか? っていうか、無料試飲ってのに惹かれる!
そこで調べて見ると、キリンビール、アサヒビール、サッポロビールで工場見学が開催されていた。
どうせ行くなら”カヌーで遊べる川”が近くにある工場はないものか? と思いつつ探していると、、、あっ、ありました!岡山県にありましたー!
キリンビールの”キリンビアパーク岡山” それに、ビールではないが”サッポロワイン岡山ワイナリー”
この2つの施設は15キロ程しか離れておらず、しかも近くには、あの吉井川が流れているではありませんかっ!
という訳で
”岡山ラーメンでホッペを落とし、ワイナリー&ビール工場でほろ酔い気分のまま、仲秋の名月でドラマチックに飲んだくれ
翌日ゲーゲー言いながら吉井川を下ろうツアー!”の運びとなりました。(長っ!) |
吉井川緑地公園
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この魅力的な謳い文句につられ、吉井川緑地公園までノコノコとやって来たのは
カズケイ夫妻と、松っちゃん。(^;^)
テントを設営したあと、まだ昼前だというのに”和気・鵜飼谷温泉”へと向かった。
というのも、飲酒のあとに運転できないし、風呂も危険だから。
だからこのタイミングで温泉に入ることにした。(早っ!)
温泉で汗を流した4人は、もうノドがカラッカラ!急いで岡山ワイナリーへ向かう。
岡山ワイナリーの試飲コーナーは
正直期待していなかった(バカにしていた)我々は
このあと、ワイナリーの充実ぶりに思わず酔いしれることになる。。。
岡山ワイナリーは見学無料。予約も不要だった。
我々は目的は”見学”というよりも”無料試飲”だけ!だったが
そのイヤらしい根性を見透かされないように
まずはおとなしく見学順路に従った。。。
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しかしやはり、試飲のことで頭がいっぱいの我々は気もそぞろ。
何気なく「ふ〜ん」と頷いてみては早足で駆け抜けるのであった。。。
どれだけ”気もそぞろ”だったか?というと
この時の写真が一枚も残っていない(撮っていない)
記憶すら残っていないのだ!(おいおいっ)
見学コーナーから出てきた我々は
もう一直線に”試飲コーナー”のある館へと入っていった。
館の中には試飲コーナーの他に、お土産物コーナーも充実している。
壁際に並んだ樽の上には試飲用のワインが冷やされてあり
そのワインの説明(名称・値段・甘口辛口などの評価)が表示されている。
さっそくケイにぃが、係員に”試飲の旨”を述べ、小さなグラスを貰ってきた。
ケイにぃ「はい、隊長はコレね。」
グラスではなく”運転手シール”を手渡される隊長。
隊長「ハッ、そうだ! オレ、運転手だったんだ!
何の為に風呂上がりからここまで飲み物を我慢してたんだ!(バカね)」
この瞬間から、隊長の地獄は始まった。。。
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ケイにぃ「いやぁ〜、たいちょー
悪いっすねぇ〜、僕らだけ。へへへ。」
松っちゃん「ほんと恐縮っす!」
カズねぇ「じゃあ、とりあえず3人でカンパーイ!」
隊長「まぁ、存分に楽しんでくれたまえ!(既に顔がヒキつっている)」
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「おいおい、あんま飲み過ぎんなよ_____
あとであやすのが大変なんだから。。。汗」
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松っちゃん「あっ、これは飲みやすいわ。」
カズねぇ「そうね。甘いから隊長の好みじゃわ。。。」
ケイにぃ「うん、これは値段どおりの味やな。安っぽい隊長にピッタリや。」
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カズねぇの眼は、次の獲物をロックオン!
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松っちゃん「よし!次のワイン、飲んでみよう!」
カズねぇ「あれ?これは案外やな。。。値段は?」
ケイにぃ「やっぱり安いわ!これも隊長用や。 次行こう!つぎ!」
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君達、何回つぎ足すねんっ!
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カズねぇ「お次のワインはどうかな? ん?ようわからんなぁ。もう一杯!」
ケイにぃ「おいおい!そんなに注ぎ足すかぁ!?」
松っちゃん「えっ? 僕なんか、さっきから3杯づつ飲んでますよ。」
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「あれ? たいちょー、どないしてん? ボサーっと立って。
あっ!そっか、そっか、運転手やったな。すまんすまん!」
(思わず、樽をひっくり返してやろうかと思ったぜ!by隊長)
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松っちゃん「今度は辛口って書いてるよ。」
カズねぇ「あっ、私こっちの方が好きやわ。」
ケイにぃ「ほんまや!これは僕達向きやな。
オコチャマの隊長には無理やで。(^;^)」
こうして次から次へと飲み進む3人衆。
彼等は飲むたびにその寸評を述べてくれるものだから
隊長の口の中は益々カラッカラになってしまった。(泣)
そして最後の試しワインを飲み終わった頃には
3人ともニタニタと笑い、すっかりいい気分になっていた。
カズねぇ「あっ、アンタ!あそこに有料試飲コーナーがあるでっ!」
ケイにぃ「ほんまに美味しいのは、あそこにあるんちゃうか?」
松っちゃん「えぇ!しまった、こんなとこで飲みすぎるんじゃなかった。
もうフラフラで飲めないよ。ゲフッ。。。(涙)」 |
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フワフワとした足取りで有料試飲のカウンターに着くなり
カズねぇは受付のお姉さんにシャベリ始めた。
お姉さんの方も、カズねぇを”酒飲み”と判断したらしく
熱のこもった説明をしている。
この”有料試飲コーナー”は
「高級ワインは試飲してみなくちゃ、買えないなぁ。」とか
「私好みのワインを探したい」というお客様の声に答えるかたちで
2008年5月から設置されたそうです。
五千円以上するようなワインが、グラス三百円とか四百円くらいで試飲できる。
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真剣な眼差しでテイスティングするカズねぇ。
その横で、いつの間に注文したのか?
アルコール分37%のブランデーを流し込むケイにぃ。
ケイにぃ「カッ!きたぁあああああー!」
落ち着いてワインをふくむカズねぇとは対称的に
すっかりゴキゲンなオヤジと化してしまったケイにぃであった。。。
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有料試飲コーナーのお酒は、さすがにうまかったらしく
試飲したお酒を2本とも購入する大蔵大臣(カズねぇ)
値段が値段だけに、カードで支払っていたよ。(^;^)
隊長「うわぁ〜、いいなぁ〜、
みんなが飲んでる姿を見てたらノドが乾いてきたよ。
オレもワインを買って帰ってキャンプ地で飲もぉーっと!」
ケイにぃ「よしっ! じゃあ、私が買ってあげましょう!」
隊長「えぇえええー! ほんまにぃいいいー!?(喜)」
ラッキー!どうやらケイにぃは酔っ払っているようだ。
今なら何をしても、何を言ってもよさそうだ!
そう判断した隊長は、ちょっと困った顔をして、上目づかいに言ってみた。
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松っちゃんもお買い上げ〜!チャリ〜ン!(^;^)
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隊長「う〜ん、悩むなぁ〜。 こっちのワインは確実にオレ好みなんだけど
こっちの桃ワインも捨てがたい!
あぁー!オレって、なんて優柔不断なんだろう!
このままだと陽が暮れるかもしれない!ウォー!」
ケイにぃ「あー、もぉ! しょうがないやっちゃなー!
2本とも買ってあげますよ!このわたしに任せなさい!
(小さな声で→)うちの大蔵大臣には内緒やでっ!」
隊長「やったぁー!さすがケイにぃ、太っぱら!」
(ほんまに太い腹してるけど。。。爆)
よくよく考えると、この試飲コーナーはよくできている。
酒を飲み、判断の鈍った客はついついワインを買ってしまうという構図だ!
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←すっかり”できがってしまった”3人衆
こんなに買っちゃいました!
いやぁ〜、予想外に楽しかったなぁ。
有料試飲コーナーでは数量限定品が飲めるし
その年、その季節により造られるワインも変化するというので
ぜひまた訪れてみたいものだ。。。
ワイナリーの”試飲→購入”という意図に、まんまとハマった4人は
今度は岡山ラーメンを食するべく、”仙助”というラーメン店へ向かった。
その道中、前方を細長いものがチョロチョロと横切っていった。
さすが、ヘビ女・カズねぇ! 今回もまたヘビを引き寄せた!
ここ赤磐郡は、あのツチノコで有名な土地。
ひょっとすると、カズねぇは、あのツチノコまでをも呼び出すかもしれない!
期待しつつ車を走らせた。。。
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仙助に着くと、順番待ちの列ができており期待が高まる。
席に着くと4人はギョーザラーメン、えのきラーメン、
豚キムチラーメン、もやしラーメンをオーダー。
魚醤を使用しているのか?独特な味わいのあるスープだった。
飲んで、食って、幸せな気分になった4人は
このあと買出しをして野宿地へ戻った。
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ここで一旦休憩。
このあとは、16時から予約しているキリンビール岡山の工場見学だ。
今度は隊長も飲むから、車はキャンプ地に置いて歩いて向かった。
この緑地公園からは2キロほどなので、散歩がてらに丁度良い。
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キリンビアパーク岡山のエントランスホールに着くと、多くの人で賑わっている。
僕達も受付を済ませると、早速見学ツアーが始まった!
他の見学者と伴に約10名の一団となり
ガイド役のお姉さんのあとについて進む。
途中、離れた施設へ行くためマイクロバスに乗る。
「ほほぉ〜、スケールがデカイなぁ。。。」
ガイドの説明を聞きながら、
いくつかの小さな発見に驚いているうちに見学は終了。
一番記憶に残っているのは、キリンビールの場合
「ミニサイズ缶は、この岡山工場でしか生産されていない」ということだった。
どこかでキリンのミニサイズ缶(135ml)を手にしたら
”おぉ、これは岡山工場で生産されたものなんだな”と
しみじみと思うことでしょう。。。
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見学ツアーの最後は、おまちかねの試飲タイム! 試飲酒引換券が2枚手渡され、ビールや果実酒を計2本まで味わうことができる。
小さな”おつまみパック”も貰え、指定されたテーブルでくつろぐ。 といっても20分以内という制限がありますけどね。(^;^)
見学ツアーの一団は、皆一様にテーブルに着くと、グラス片手に「やっぱ生ビール、美味しいなぁー!」などと談笑している。
そんな中、再びガイドのお姉さんが現れ、我々に、”家庭での美味しいビールの注ぎ方”を伝授してくれるのだった。
それは、ビールを3度に別けて注ぐというもので、まず最初にお姉さんはグラスの上、高さ30センチくらいのところからビールを注いだ。
この時グラスの中は泡だらけになるが、この泡が雑味を取り除きマイルドな味になるらしい。
そして時間をかけ泡が収まるのを待ったあと、2度目は普通に注ぎ足した。
2度目の泡が落ち着くと、最後にグラスいっぱいに注ぎ足し完成! グラスの上にメレンゲのような泡がポッコリ浮き立っていた。 |
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しかし次の瞬間、お姉さんの手の動きに一同騒然となった!
なんと、お姉さんは「ほーら、キレイでしょう?」と言いながら
そのグラスを左右に傾けはじめたのだ!
45度くらいの角度でグラスをクイッ、クイっと傾けるものだから
一同、ハッ!っとするのだが、ビール泡は全然こぼれないのだ!
「しっかりした泡が立つので、少々傾けてもこぼれないんですよ(^;^)」
とお姉さんが言うと、拍手が巻き起こった。
ケイにぃなんか、もう夢中で”ひとりスタンディングオベーション”していた。
そして拍手も収まり、ケイにぃも席に着いた頃
お姉さんはその注がれたグラスを手にしたまま、見学客に向かって言った。
「こちらのビール、ぜひ飲んでみたい!という方はおられませんかぁ〜?」
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↑周囲の人から向けられる
「いるよね〜、あぁいうオヤジ」的視線
チビッコも呆れているではないかっ!
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ケイにぃ「はいっ!!」 (ガコンッ!)
大きな声を張り上げ、挙手しながら勢いよく立ち上がったものだから
椅子が後方の壁へ勢いよく吹っ飛ぶ!
その声と音にビックリした観衆の視線を、一身に集めるケイにぃ。
隊長「わっ、ビックリしたなぁ〜もぉ〜。。。」
松っちゃん「。。。。。」(ポカ〜ンと口を開け、ケイにぃを仰ぎ見たまま硬直)
カズねぇ「。。。。。」(顔を伏せたまま、すぐにケイにぃから離れる)
お姉さんは、ケイにぃの即答に顔を引きつらせながら
やっとの思いでこう言った。 「他にはいませんかぁ〜?」
見回すと、みんなケイにぃを見たまま硬直している。
この状況でケイにぃに立ち向かうものは、もう誰もいなかった。。。
気を取り直したお姉さん 「ではこちらの方に飲んでいただきましょう!」
グラスを受け取ると、周囲の方々に一礼するケイにぃ。
ケイにぃ「では失礼して、いっただっきまぁ〜すっ!」
んぐっ。んぐっ。んぐっ。」
まばたきひとつせずにお姉さんを凝視したまま、一気に飲み干すケイにぃ。
こんなゴキゲンオヤジを相手にしなければならない仕事も大変ですね。(同情)
ケイにぃ「っぷはぁ〜! うまい! やっぱ注ぐ人で変わるもんですね」
カズねぇ「なぬぅぅぅ〜!?(ケイにぃをギロリとにらむ)」
隊長「ケイにぃ、そうじゃないよ。”注ぎ方で変わる”でしょ!」
松っちゃん「ダメだ、全然聞いてないよ。。。」
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お姉さんが去った後も、ケイにぃはゴキゲンだった。
ケイにぃ「たいちょー!あのお姉さんどうっすか?いいと思うなぁ〜(^;^)」
隊長「。。。。。(とかなんとか言っちゃって、じつはケイにぃのストライクゾーンどまん中なんじゃないの?)」
みんな2本目を飲み終え、くつろいでいると再びお姉さんが現れた。 |
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そして僕らのテーブルの上にアンケート用紙を置きながら言った。
「本日のツアーで何か不明な点、気になる点、質問などはございませんか?」
思わず隊長の脳裏に
「お姉さん、おいくつですか?」
「ご結婚はされてますか?」
「携帯の番号は?」
といったフラチな疑問が次々に思い浮かんだが、すぐにかき消した。
こんな質問はケイにぃがしてくれるだろうと思い、ケイにぃを見ると
彼はお姉さんを見つめたままウットリしていた。ダメだこりゃ。。。
来年こそはケイにぃ、隊長を指しながら
「この男、只今彼女募集中なんですよ。どうですか?」といったような
”最盛期の田中秀寿”のようなパスを出して欲しいものだ。
めざせ”うはうは隊のファンタジスタ・ケイにぃ!”
というわけで、来年もう一回行くでっ!(爆)
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黄昏時。 ビアパークからの帰り道。
隊長「あそこ、可愛いお姉さんがいっぱい居たなぁ。。。 オレもあんな職場で働きてぇえええー!(絶叫)」
ケイにぃ「たいちょー、ダメじゃないですかー! すぐそこでキャンプしてるから遊びに来てくださいって言わなくちゃ。」
隊長「。。。。。とかなんとか言っちゃって、それ、ケイにぃの願望なんじゃないの?
カズねぇが居る手前、”たいちょーが”って言うてるだけやろっ!(^;^)」
この日、一番幸せそうなケイにぃだった。。。 |
キャンプ地に戻ると
さっそくワイナリーで買ってもらったワインをあけ
宴がはじまった。
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こんな状態で、明日僕達は吉井川を漕ぎ下ることができるのだろうか。。。
このあとのことは、あまり覚えていない。
ただ、お月さんが”ビアパークのお姉さん”のように輝いていた。。。 (翌日の”吉井川カヌーツーリング”へつづく) |