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古座川と小川でレンタルカヌーを行っている古座観光協会と古座川町漁協との間では、カヌーに関する区間規制の協定が結ばれている。 その内容に関する隊長の質問と、それに対する観光協会の答えを以下に記します。 みなさんの知らないこともあるかもしれないので、一度ご覧になって下さい。 <Q1> 「5月29日〜6月の第2日曜日は、明神橋から河口までご利用頂けます」 とありますが、 逆に言えば「5月29日〜6月の第2日曜日は、古座川は明神橋までは漕いではダメ。小川は全て漕いではダメ」ということですよね? その理由を聞かせて下さい。 たとえば、その区間でアユ釣りが極端に増えるからとか。 (A1) 古座川は鮎でも有名な川で、解禁してからしばらくは大勢の釣り客でにぎわいます。 ・「解禁3日前からできるだけ川に入らないで欲しい」 ・「解禁してしばらくは明神橋から上流は釣り人が多くなります。 特に小川はシーズンを通して釣り客が非常に多く、川幅が狭い小川でのカヌーはやめて欲しい」 という”古座川漁協”からの要望がありました。 当協会でも釣り客が多すぎてゆっくりとカヌーを楽しむことができないと判断し、このような協定内容になっています。 [ 隊長の感想 ] たしかに、アユ漁が6月に解禁になると同時に、それを待ちわびていたアユ釣り師が一斉に川へ立ち入る。 解禁したばかりのため、アユ師のテンションも高揚している。 そんな中にカヌーで突っ込んで行ったら、どんな反応をされるか、だいたいの見当はつくだろう。 カヤッカーとアユ師の衝突が充分に考えられる。 ゆえに注意を喚起する意味においては良い呼びかけ(提案)である。 また、解禁直前にカヌーで立ち入られると、アユが神経質になり釣果に影響するのでは?場が荒れるのでは?という観点から 解禁3日前から立ち入りを自粛してほしいと思うのも、仏心を持った人なら頷けるであろう。 しかし、”小川でのカヌーはやめて欲しい”というのは頷けない。 「シーズンを通して釣り客が非常に多いから」、「川幅が狭いから」ということが、”小川でのカヌーは年中禁止”に直結するのはおかしい。 じゃあ、シーズンを通してアユ釣り師よりもカヌー客の方が多くなった場合、「小川でのアユ釣りは年中禁止」にすることができるのか?と聞きたい。 川幅が狭いところは、アユ師に確認して通してもらうか、舟をかついでアユ師の後ろをポーテージ(迂回)するなどの方法もある。 むしろほとんどのカヤッカーは、そういう狭い区間では、かなり手前から声をかけていると思われる。 なぜなら、竿を上げてもらわないと、通れないでしょ? ヘタにルールを作るよりも、お互いが礼節をわきまえて接することを教えるのが先ではないだろうか? <Q2> 「6月第2日曜日の翌日〜9月20日までは、鶴川橋から河口までご利用頂けます。 ただし、鶴川橋を午前11時までに出発し、明神小学校前を12時30分までに必ず通過して下さい」 とありますが、 鶴川橋を午前11時までに出発し明神小学校前を12時30分までに通過しなければならない理由を教えて下さい。 たとえば昼頃からアユ釣りが増えるからとか。 (A2) 鶴川橋から明神小学校の区間と、潜水橋付近は1日中釣り客が多く入るポイントのひとつになります。 ですからせめて午後からでもゆっくり釣りを楽しんで頂くために、このような時間設定になっています。 [ 隊長の感想 ] 鮎釣り師が「午後からゆっくり釣りを楽しむ権利」を主張し聞き入れられるのであれば カヤッカーが「午後からゆっくりツーリングを楽しむ権利」も聞き入れられなければならないでしょう。 アユ釣り師は漁協にお金を支払って日券や年券を購入してからアユを釣る。 ”友釣り”をする人はそのうえ”オトリ鮎”を購入せねばならない。 アユ師が支払ってくれたお金は、川へ放流する”養殖アユ”を買ったりなどの漁協活動のために使われる。 養殖アユを買って川へ放流するのにはお金がかかるが、それをしなければ 天然アユが非常に少ない為、漁業や釣りが成り立たなくなってしまうのだ。 ”川の環境を守る(維持する)ために漁協は頑張っているのだ”という考え方が一般的で原則的な考え方だ。 しかし、ちょっと考えてみてもらいたい。 もし、それが原則的な考え方なのであれば、 ある年を界に「放流しなくてもいいほど、天然アユが昇ってくるようになった」としたら、 日券や年券は無くなるのだろうか? たとえ無くなりはしなくとも養殖アユの放流は止めるのだろうか? 漁協関係者は、「川の環境はオレ達が保つ」と言いながら、川を”管理釣り場”化してはいないだろうか? 私は実際に漁協関係者が「川の石ころ1つでも動かすことは許さん。オレ達が管理しているのだから」というのを聞いたことがある。 川を守っていると言うのなら、なぜ上流のくだらない護岸工事に文句を言わないのだ?まさか知らなかったなどとは言わないだろうね。 彼らが守っているのは、もはや川ではなく、”既得権益”になってしまっているのだ。最初はそうじゃなかったはずだ。。。 誰の脳裏にも次のようなことが考えられるというものだ。 カヌーで町おこしをし始めたのだが漁協から文句が出た。漁協の言い分はこうだ。 「わしらの稼ぎ口でもあるアユ釣り師からカヌーが邪魔だと声が上がって困ってるんだよ。なんとかならんかね? アユ釣り客が減ったら、私達漁協関係者の生活にも影響するじゃないか!あんたらどう考えてるんだね?」 観光協会としても漁協の立場は理解できるし、地元を潤しているのは、カヌーよりもアユなので大きな態度に出れない。 ヘタに事を荒立てては町おこしのカヌーそのものが窮地に追いやられる。 そして結局、ほぼ漁協の言いなりの協定となる。 以上の仮定は、川に関わる者であれば誰でも想像しうることなので、 観光協会の方には今後、カヤッカーも来やすい川になるよう協定内容の是正に努めて貰きたい。 あっちを立てれば、こっちが立たず、こっちを立てれば、あっちが立たない状態なのだろう。 観光協会の担当者の気苦労を考えると心痛いので、私でよければいつでもチカラになってあげたいと思う。 もし、その川で漁協がやりたい放題したければ、こういうのはどうだろうか? まず名前だけの”財団法人○○町カヌー振興公社”というのを作る。 この公社は、建前上「カヌーで地域振興を!」と謳うのだが、運営実態は漁協の傘下になるようにしておく。 ゆえに、いかにも「漁協との協議の上で、なんとかレンタルカヌーができる期間・区間を設けることができました」と叫び、 実際は、アユ釣り期間中ほとんどの区間で規制を強く。まさに”漁協にとって都合のいい規制”にしておく。 次に、アユ禁漁期間に入ると同時に、その川のほとんどで通行止め(規制)を強いた道路工事を行い、通行を不便にする。 もちろんアユ漁解禁直前に工事は完了させる。 こうすれば大半のカヤッカーは、その川に嫌気がさし、その川から離れていくだろう。 しかしながら、これを実現させるには、名前だけの”財団法人○○町カヌー振興公社”を運営していく予算を、 助成金やら補助金という名の”痛くも痒くもない税金”を捻出してこなくてはならず、 また、道路工事も余程の根回しが必要なので、余程の有力者が腰をあげねば出来ないだろう。 ちょっと考えれば誰にでも分かるカラクリなので、賢い有力者も、賢い漁協も、そんな割に合わないことはしないのだ。。。 <Q3> 「9月21日〜10月10日は、一枚岩から河口までご利用頂けます」とありますが、 なぜこの時期から一枚岩から下を漕いでも良いのか?また、一枚岩から上は依然ダメなのはなぜか?理由を教えて下さい。 (A3) この時期から古座川の至る所で梁がたち、落ち鮎漁(笹立て漁)が始まります。 釣り客よりも投網で鮎をねらう 人達が増えるため、一枚岩から下流であればあまり釣り客には迷惑をかけないと言うことです。 一枚岩から上流については、一枚岩下流に比べてまだまだ釣り客が多いと言う事で、このようなコース設定になっています。 <Q4> 「10月11日〜12月10日 (禁漁期間)は、立ち入り禁止区域(禁漁区)=上流と 高瀬橋から下流 古田岩淵谷付近の間」 とありますが、 カヤッカーは川から何も持ち帰らないのに、なぜ立入禁止なのか?理由を教えて下さい。 (A4) 立ち入り禁止区域(禁漁区)=鮎の産卵区域という事です。鮎は河口付近の浅瀬で産卵を行ないます。 その産卵している場所を川に入って荒らしてしまわないよう立入禁止区域(禁漁区)にしています。 (観光協会・担当者のお言葉) 川は誰の物でもなく、マナーを守り自由に遊んで頂くのが本当だと思います。 毎年古座川漁協と話し合いを行なっている中で、少しずつではありますがカヌーに関して理解して頂ける方が増えてきたように思います。 行政区域が違うため、なかなか難しいこともありますが・・・。 これはあくまでも古座観光協会と古座川漁協との協定であり他に効力を及ぼすものではありません。 (観光協会のレンタルカヌーを使用する際は区間規制に従うのが原則であるが、自艇でカヌーツーリングをする人にこれを強制しない、ということ) 納得いかない部分が多いとは思いますが、ご理解ご協力よろしくお願いします。 (隊長の総評) 全国の自治体で行われているカヌー体験施設や、カヌー業者のほとんどが地元漁協と同じような協定を交わしている。 ただ、古座観光協会の素晴らしいところは、 「これはあくまでも古座観光協会と古座川漁協との協定であり他に効力を及ぼすものではありません」 と謳っているところだ。 その上で協力を要請しているところが、分をわきまえていて立派だ。 担当者の苦労を考えると心苦しいので、レンタルしないカヤッカーにもできる限り賛同して欲しいと思う。 ただやみくもに「決まりだから」と他に強制されるのはみんな嫌だろうから、「こういう理由からだよ」と説明し、理解(賛同)を得よう。 〜最後に、私の友人による”カヌーよりも川釣り師派”の意見を以下に記す〜 漁協は漁師の自助団体。 漁師からすれば魚が採れなくなるのは死活問題。 よって「生活維持」の為に漁場を荒らされたりしたくないのは明白。 それを個人で訴えてもダメだという事で団体として発言、行動する。 しかし現在は「専業」の漁師は少ないが、利権は手放せない。 兼業であっても「漁師である」というのは事実。 だから「漁師として困る」と言う訴えは出来る。 特に最近では川で遊ぶ人間のマナーが悪いのが原因。 たしかに漁師からすれば迷惑の一言。 が、それを傘に着て利権を追求する人間も居る。 例えば川の改修工事では大きなお金が動く。 それらは「生活保障」の為にばら撒かれる。 工事を承認した事を後に後悔する漁師が居たとしても、その恩恵を受けている。 鮎師が大事にされるのは入漁料を払い、漁協の一員であるから。 漁協としてもその入漁料は貴重だし、漁協の発言力が強くなる「人数」は魅力。 さらには「○○川の鮎」など有名になれば、その知名度により商品価値が上げられる。 行政側からすれば鮎師は目立った産業が無くとも経済効果が得られるお客様。 ただ「川に鮎が居る」というだけで消耗品等が売れ、入漁料からの税金が得られ、知名度が上がる。 これを規制すると「誰も来ない土地」になるので鮎師は大事。 また「川に鮎が居る」状態を維持してくれる漁協には感謝の気持ちがあるはず。 他に川を必要とするレジャーにはカヌーやフライ(渓流釣り)等がある。 フライは一応入漁料を払ってくれるが、釣法が特殊で広いスペースを必要とする為 「人数が稼げない客」。 カヌーは入漁料を払う人の邪魔になるだけの存在。 勿論異論もあるだろうが、「ただ魚を釣るだけに数万円の投資をして釣り場に居る人」には不条理に見える。 確かに「川は誰が利用してもいいはず」ではある。 が、車で河原に乗りつけ、そのまま川を下り、途中で外食もせず、入漁料も払わず、 釣り人の邪魔をするのは漁協から見ても行政側から見てもありがたい存在ではない。 カヌーやフライは河川が広い海外で発達したレジャーで、元来の日本の河川に合ったものではないのは理解しておくべき。 このように書くと「反対者」かと思われるかな?(笑) でもね、自らの立場の意見のみを押し通そうとしてもダメだと思うんだよね。 だからと言って行政や漁協の言いなりでは今後カヌーは衰退していくだろうと思う。 で、個人的意見として「釣り人専用河川」と「川遊び専用河川」を分けるのも一つの方法かと。 まあ、、、「楽しい」とか「景色がキレイ」だとかは考慮して欲しいとは思うけど。。。 スノーボードが輸入された当初のスキー場の対応は「スノーボード禁止」だったろ? それが今じゃどうさ! フライも昔は「フライ釣り禁止」って所が多かっただろ? 今なんか専用河川があるもんね! それと同じ事を今度はカヌーで繰り返す訳さ!(笑) 「専用河川で遊ぶなんて面白くない」って言う人も居るだろうけど、初心者や短時間で遊ぶ場合なんかは有効かと思う。 その証拠にスノーボードもフライもレジャーとして消滅してない。 もっと本格的にしたい人は海外にでも行くから大丈夫だろうと思う。 |
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