思い出せば、それは初秋の高知での出来事だった。。。
かずねぇ&けいにぃと、かずまるさん&さなまるさんに「仁淀川でカヌー&キャンプをするから隊長もいらっしゃい」と誘われていた。
しかし所用があった隊長は、バタバタした体で彼らのツーリング初日の夕方から合流することになった。
そして当日、隊長がキャンプ地の河原に到着すると、ちょうど彼らが川上から漕ぎ下って来たところだった。
「おーい!」と手を振ると、彼らは「満喫し過ぎた!」といった表情で河原へと上がって来た。
それは久しぶりの再会だった。。。 けれどニコやかに会話が進むうち、隊長は窮地へと追い込まれることになった。
隊長「あっ、そういや今日、、ガスストーブ持ってくるの忘れちゃったぁ〜。てへへ。(^:^)ゝ」
かずねぇ「えっ!うそぉ〜ん、、夜寒いやんっ!」
けいにぃ「隊長のことだから、絶対に持ってくると期待してたのにぃー! もぉー、たいちょーアンタ何しに来たんっ!?」
隊長「ごめん、ごめん!(汗)」
かずまるさん「あれ? そういえば、たいちょー、、うどんは? 讃岐うどんは?」
隊長「えっ? いや、持って来てないけど。。。」
さなまるさん「えぇーっ!たいちょーなら絶対持って来てくれると期待してたのにぃー!」
隊長「え?なに、、それ。。。(汗)」 いったいこの”隊長に対する妙な期待感”は何なんだっ!?
とまぁ、こんな具合にパンチのある冗談を浴びせられた隊長は、目を血走らせながら、こう言い放った!
隊長「よしっ!じゃあ今度オレが、うまい讃岐うどんをたらふく食わせてやるっ!伊達に讃岐で暮らしてる訳じゃねーぞ。
うどん粉で腹がパンパンに膨らんでベソかいても知らねーかんな。覚悟しとけよ!」
このとき彼らは内心、「うひひ、まんまと引っかかった!これで今度ウマいうどんが食える」とほくそ笑んだに違いない。
しかし頭に血が上っていた隊長は、そんなこと知るよしもなかった。。。 (←アホ)
〜それから約2ヶ月が経った11月の末。。。〜
その約束は徳島の地で果たされることになった。 果たし合いの場所、いや集合場所を穴吹川の河原に指定した隊長。
なぜ、うどんを食べるのに、、河原なのか??? これには次のような思惑があった!
<その1>打ち立ての麺の状態を見せ、彼等を驚かせる為。(生麺の状態で見たり触ったりする機会は少ないからね)
<その2>ガンガンに沸かした湯でうどんを茹で、出来たてを彼らに食わせ、のけ反らせる為。
(讃岐弁で言うと「今さっき湯がいたとこやきん、できだちやでぇ」となる)
<その3>アウトドア讃岐うどん、という新境地を開拓し、彼等の目からウロコを落とす為。
(カヌーで下るには少し寒い時期に、川を眺めながら温かいものを食べ談笑するのもよいのではないかと。)
<その4>色んなうどんの食べ方を体感してもらい、彼らに「正直、うどんを甘く見てました!」と省みてもらう為。
(野外だと、材料や調味料を持ち寄るだけで色んな味付けや食べ方を試すことができる。
そう、それはまさに”うどんパーティー”といったところか???)
<その5>こんな隊長でも主体となって腕をふるうことのできる”唯一の行事”となり、
これにより彼らの”隊長を見る目”を380度転換させる為。(←あれ? 結局ちょっとしか変わってへんやんっ!)
また、穴吹川の河原は2駆車でもある程度までなら入れるし、近くの公園(穴吹ふれあい広場)にはトイレ・水道・遊具もあり
車で2分のところに日帰り温泉(ホテル油屋美馬館)まである。それに関西から明石海峡大橋を渡って来れば割と近いという利点もあった。 |
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約束の日の前夜、隊長は”歌って踊って手打ちうどんも食えるお店”
を経営している先輩の店(うどん屋ではない)へ行き
一切機械を使わずに手打ちされたうどん(生麺)を仕入れた。
〜ここでひとつ解説しておこう!〜
(あっ、今回のレポートはちょっと文章が長くなりますが御容赦願いたい!)
香川県のうどん屋の中でも”手打ち”という看板を掲げている店は数あるものの
その”手打ち”と掲げる店の中でも、練る・打つ・切るといった作業行程を
機械を一切使わずに行っている店はそんなに多くはないはずだ。
”手打ち”と掲げる店であっても、
全行程のうち、ある行程だけは機械を入れている、という場合もあり
また、全行程のうち
”機械を使わない(人力の)作業行程”の方が少ない”手打ち”店もある。
ひとえに”手打ち”と言ってもその概念は人により(店により)さまざまなんだね。
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全行程で機械を使わずに麺を作る作業が、どれだけ大変なのかは
「○○○の大将、体壊したから店閉めたらしい。あのうどんが食えんようになるんは残念やなぁ」とか、
「△△△のご主人は体調が悪いから少しの間、店を閉めるらしい。」という話を耳にすることから伺い知れるというものだ。
手だけでなく、足腰も使うから全身作業になるんだろうね。 そういうわけで、ひとりの人が作れる量にも限界があるのだろう。
こういうことを考えると”手打ち”店の価格設定が少々高くても有り難く頂けるというものだ。
隊長の場合は常に”ここの大将は手打ちにこだわってるんだなぁ”と敬意を表して食べることにしている。(^;^)
かと言って”行程の中で機械を使ってるから美味しくない”という訳ではない。そこは勘違いせぬように。 ぜひ自分の舌で確かめて欲しい。
そしていよいよ翌朝。 隊長はワザと遅れて穴吹川の河原へと向かった。 それはもう、宮本武蔵の思いであった。。。
時は巳の刻(11時)。
既に到着していた他の4人はジラされるどころか、集合場所の河原が解らず、道に迷っていた。(ご迷惑をおかけしました:汗)
皆を引き連れて決戦の河原に降り立った隊長は、車から降りるなり皆を呼び集めた。
そしておもむろに、車のトランクから”手打ちうどん(生めん)”を取り出して見せた。
とたんに「おぉおおおっ!」というどよめきが起こる。 よしよし。もう君たちは隊長の手の内に入ったも同然だ!
心の中でほくそ笑みつつ、間髪入れずに今度は”かけダシ(お汁)”を彼らの目前に突き出して見せた!
ここでもまた一同「おぉおおおー!」っというどよめきを期待していたのだが
隊長の期待を裏切り、皆「はぁ?何コレ?」といった顔でポカンとたたずんでいる。
「しまった!」 このプレゼン方法は、彼らにはまだ早かったか!?
きっと彼らは「なんでダシをナイロン袋になんかに入れてるの?」と不思議がっているのだろう。
隊長は一瞬ひるんだものの、気を取り直して説明する。 これは香川県坂出市にあるうどん屋”兵郷”で買ってきたダシ汁です。
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最近でこそペットボトルに入れて売ってくれるところもあるのですが
ペットボトルが世間に出回っていない時代からのなごりか?
こうやってビニール袋に入れてくれるところも少なくない。
讃岐のうどん店の中には、こうしてお持ち帰りできる店もあり
中には”日持ちするおみやげ用”を販売している店もある。
〜ここでひとつ解説しておこう!〜
お持ち帰り用は、たいてい
うどん1玉=○○円、ダシ1人前=○○円という単位で販売されているので
「持ち帰りのうどん玉を6玉と、ダシを4人前ください」と注文でき、
それぞれビニール袋に入れてもらえる。
できることならダシ入れ用に自分で
”大きいサイズの空ペットボトル”を持参することを勧める。
ここで注意しなければならないのは、持ち帰り用のうどん玉は
「生麺を一度茹でたあと、水でしめたものである」ということ。
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すなわち「なるべく早く召し上がらなければ、時間の経過と伴にコシ(弾力)が失われる」ということなのだ。
ゆえに「出来立ちをお店で買ったものだから」といって翌日食べると、「お店ではあんなに弾力があったのに、なぜ?」という結果になる。
あのコシ(弾力)は”出来立ち”(茹でたて)だからこそ有るのだ。 お店で食べるうどんは生めんを茹で上げたばかりだから美味しいのだ。
(スーパーで袋売りされているうどん玉も出来立ちはそれなりに弾力があったものだ)
「じゃあ、他県から香川県へ訪れ、茹で立てのうどん玉を買って帰っても、お店で食べた時のようなコシは望めないのか?」
と問われれば、、、 「ハイ、そのとおりです。」と言わざるを得ない。
しかしながら「多少弾力が無くなってもいい」 「その店のうどんの風味・舌触りが好きだから」という人には良いだろう。安いしね。(^;^)
という訳で、結局のところ一番美味しい状態の讃岐うどんを食べたいのなら、お店に行って食べるのが一番ということだ。
しかしどうしても「店で食べるうどんに近い状態のうどんを自宅で食べたい」という人には、”生うどん”の購入を勧める。
これはまさに”茹でる前の状態”のうどんです。(乾麺ではない、少し柔らかい麺)
これなら家庭でも”茹でたて”(コシのあるうどん)を楽しむことが出来る。
とは言っても素人が家庭のコンロで茹でるので、プロのそれには及ばない。という意味で2番手とした。
ただ、この”生めん”は、日持ちしないし、温度管理が難しいので、販売している店は極端に少ない。(通販でも少ない)
しかしながら、うどんを取り巻く環境も日進月歩で進化しており、おみやげ用に”日持ちする半生めん”を販売する店も増えてきた。
消費期限が1週間のものもあれば1ヶ月のものもあり、様々だ。(特に通販で増えている)
また、物凄く日持ちのする”乾麺タイプ”もご家庭で茹でるので弾力を楽しめるが、”生めん”と比べるとなると、やはり3番手どまりだ。
讃岐うどん店で極まれに販売されている”おみやげ用”というものが、この”半生めん”や”乾麺”にあたる。 |
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さて、話を元に戻そう。(^;^)
このうどん屋”兵郷”は、元々うどんの製造卸販売のみを行っていた。
そして「ここはうどんの製造所だが、ちょっと食べることもできるよ」
ということを知っているごくごくわずかなお馴染みさんだけがやって来ては
製造所の隅で食べる程度だったのですが、昨今の讃岐うどんブームに伴い
その噂が広がり、客も増え、店舗販売を始めたお店です。
昔は製造所で食べる人は極僅かだった。。。
そして実際、隊長にもこんな思い出がある。
小学生の頃、夏休みになると決まって隊長は
坂出市にある親戚のおじさんの旅館で寝泊りした。
そして遊んでもらう代わりに旅館の手伝いをした。
朝になると早くから仕入れに出かけるのだが、その前に必ず
うどんの製造所へチャリンコで横付けし、うどんの朝食を摂るのだった。
おじさんは「うどん2玉と、こっちは1玉!」ど注文し
僕はうどんだけが入ったどんぶりを受け取った。
そして自分で醤油とネギをかけ、ズズズッとすすって店を出た。 |
今となってはおぼろげな記憶となってしまったので、それがどこの製造所だったのか定かではないのだが(たぶん上原製麺所)
ごくごく身近な人たちだけのソウルフードだったことは確かだ。。。
それが今ではクチコミが広まり来客数も増えたので、前述のように店舗販売も始めたという製造所は多い。。。
うぅ〜ん、、、やはり今回の記事は横道にそれまくりだなぁ。(笑) 以降も横道にそれることが多くなるが辛抱して読み進んでね。(大汗)
なんせ讃岐の人が本当に知ってもらいたい”讃岐うどん”像は
一回では語りつくせないし、数軒の店で食べたくらいでは理解できないものなのだから。。。
さて、、、河原でダシの入ったビニール袋の封を開け、顔に近付ける隊長。
こうすると、黄金色に輝くダシ汁から漂う”イリコ風味の甘い香り”が脳天まで浸透する。
ただ、この動作をする時は、透明のビニール袋でなければならない。 また、決して神社裏などのひっそりした所で行ってはならない。(爆)
冗談はさておき、この香りを嗅ぐと隊長は決まって
小学生の頃に運動会のバザーで食べたうどんの記憶がよみがえり、昔なつかしい気分でいっぱいになる。
隊長にとって”かけダシ”の香りは、昔なつかしい香りなのであった。(^;^)
ひと通りの説明を終えると、次は寒空の下、暖をとるためのシェルターを造ります。
スクリーンテントを張り、その中に”薪ストーブ”を設置して出来上がり。 これで今宵の宴も寒さ知らずだ! |
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さて、真っ昼間から行われる”うどんパーティー”を前に
酒・つまみ・具材などを買いに行きます。
田舎のスーパーだと思い侮ってはいけない。
このスーパーマルナカ(美馬店?)は酒の種類が豊富で衣料も安く手に入る。
そしてなによりも、うどんのダシ・しょうゆの種類が迷うほどある。
さすが香川発のスーパーなだけのことはある。
そうざいコーナーで、うどんにのせる天ぷら(揚げ物)を多めに購入した5人は
意気揚々と河原へ戻ってきた。 ここでようやくストーブに火が入る。
幼い頃、風呂の湯を薪で沸かす当番だったカズねぇの巧妙な薪さばきにより
火は、あっという間に大きくなった。 さすがっ!昔とった杵柄ですね。(^:^)
薪ストーブ上面の丸いフタを開け、そこに魔法の水が入った大鍋を据える。
なぁに、魔法の水と言っても、隊長とケイにぃが自宅から持って来た水だから
香川のため池の水と、大阪の淀川の水を混ぜたようなものだ。 オェッ!
こう言うと、どうしても茶色い水を想像してしまうので
隊長んちの水は、香川用水からやってくる清流・吉野川の水、
ケイにぃんちの水は、六甲山から送られてくる水、ということにしておこう。(爆)
その魔法の水がグツグツと沸騰したところで、いよいよ生うどんを投入!
この時、関西からやって来た人達は、すかさず写真撮影。
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うどんを投入する姿勢のまま、パシャパシャとフラッシュを浴びる隊長。
「お写真をお撮りになる方は、どうぞ前のほうへ。」
結婚式のケーキ入刀の時って、こんな気分なのかな?
ということは、花嫁は”うどん”かっ!?
「おたくの花嫁さん、もち肌ですね。」 「いえ、弾力のある”うどん肌”です。」
そんな妄想をめぐらせたあと
手に持ったうどんを、なぜかやさしくお湯に浸ける隊長であった。。。
ここで一気に湯温が下がるため、底にひっつかないよう箸でまぜる。
自宅のガスコンロではここから湯温を上げるのに時間を要するが、
そこは薪ストーブ!
カズねぇが薪をバンバン投入し、通気口を全開にすると火力が一気にアップ!
鍋の湯温をすぐに取り戻した。
こうなるともう箸でかきまぜなくても、鍋の中でうどんが勝手に踊り出します。
この”うどんの舞い”を横目に眺めつつ、
各自、どんぶりの中に生卵を割り入れ、”釜玉”(カマタマ)の準備に入る。
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そして12分が経った頃、、、隊長が動いたっ!
踊り狂ううどんの中から1本をつまみ上げ、堅さを確かめる。。。
隊長「うん、、もぅええやろ。 みんなぁー、できたよぉー!
あっ、そうそう うちはセルフやきん自分で好きなだけついでなぁ。」
どんぶりを左手に、箸を右手に持ちスタンバイしていた
かずまるさんとケイにぃが鍋の左右から一気に襲いかかる!
踊り狂ううどんを、箸でガッツリと掴み上げ、どんぶりへ放り込む。
湯気でもうもうとする中、
ケイにぃの箸の間からスルリと1本のうどんが抜け落ちた。
その瞬間、熱々のしぶきが、、かずまるさんの手にかかる。
思わず「アツっ!」と言って引っ込みそうになったかずまるさんの箸の間から
今度は2本のうどんがバチャリと落ちた。
その少し大きめの飛沫がケイにぃのどんぶりを持つ手に飛び散る。
「熱っつ!!」 持っていたどんぶりをひっくり返しそうになるケイにぃ。
その左手はどんぶりを持っているため飛沫を振り払うこともできず、
思わず駈けだし、テントの周りを2周して戻って来た。
どんぶりを一旦、机に置けばよかったのに。。。(^;^)
このあとも二人は、何度となく「熱っ!」、「アツっ!」を繰り返し
血管を浮き立たせながら、うどんを丼に盛り終えた。
その様子は”熱湯風呂のダチョウ倶楽部”を見るようで可笑しかった。(^:^) |
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どんぶりに盛った熱々のうどんをグルグルとかきまぜ、生卵にからめる。
その後、釜玉用の醤油とネギ・七味をふりかけ、よくかき混ぜる。
最後にお好みのトッピング(揚げ物)を載せ、かまたまうどんの出来上がり!
〜ここでひとつ解説しておこう!〜
うどん屋では、生めん(うどん)を茹であげた状態を「釜揚げ」の状態という。
釜揚げうどんや、釜たま、といったメニュー(食べ方)は
だいたいこの状態のうどんが使われる。
この状態では水で締めてないので、水で締めたあとのうどんに比べると
若干ヌメりがあったり、腰は弱めである。
また、うどん屋で”木枠の入物”の中に1玉づつに別け置かれているうどんは
この茹であがった状態のうどんを、すぐに冷水の中に入れ揉み洗いしたもの。
こうやって”水で締める”ことによりコシがぐっと強くなります。
冷やしうどん・冷やしぶっかけ・ざるうどんなどは、この状態のうどんが使われる。
また、温かいうどん(かけうどんなど)は、
この”水で締めた(冷たくなった)うどん”を再びお湯で温めたうどんが使われる。
冷たいうどんのコシに比べると、若干やさしいコシになる。
だから老人には温かいうどんの方が食べやすいかもしれない。 |
かまたまうどん (トッピング:かぼちゃの天ぷら)
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うどん屋の中には、中に入れるうどんの冷・温を選ぶことができ
なおかつそのダシ汁の冷・温も選ぶことができる店もある。
隊長は「ひやあつ」と言って、冷たいめんに熱いダシをかけて食べるのが好き。
これだと「熱すぎて(舌をやけどして)味がよく解らない」ということもなく
フーフーせずにスッと食べられるし、コシがさほど弱くならないから。
ただ、寒い時期にはすぐにダシが冷めてしまうので
そういう時は「あつあつ」で食べるようにしている。(^:^)
ネコ舌の方にはぜひ”ひやあつ”をお薦めする。
そういえば以前、大阪の友人に”ひやあつ”での食べ方を推奨したら
「自宅でやってみたけど、慣れてないせいか”冷めてしまったうどん”
にしか感じなかったのでまた鍋にもどし、沸かし直して食べた。」
と言っていたのを思い出した。
慣れていないと、そう感じるのかもしれませんね。(^;^)
あっという間に鍋の中のうどんが無くなったので、第2弾・投入!
”うどんの舞・第二幕”のはじまりです。
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茹で上がるまでの間、ケイにぃは早速クーラーボックスを開け
「まっ昼間だけど、もういいね。 飲んじゃえ!」と言ってビールを手にした。
それを横目に見ていたカズねぇは、ケイにぃをギョロリと見据えて
「ちょっとだけ味見させて!」と言った。
でもこの時、長年この夫婦を見続けてきた隊長の耳には、カズねぇの
「はっ? なんで1本しか出さへんねん。 わたしのは?
まずは私が飲んでからやろ。」という心の声がしっかりと聞こえた。(爆)
ケイにぃから奪い取ったビールを高々と傾けるカズねぇ。
「んぐっ、んぐっ、んぐっ!」
あんたひょっとしてノドボトケあるんじゃねーの?
っていうくらい男らしい飲みっぷりである。
そして瓶の中身の4分の3が泡に変わった時、
思わずケイにぃは「ァアアッ!」と叫んだ。
その声を聞き、我に戻ったカズねぇは
「あっ、ゴメンゴメン。火の番してるとノドが乾くねん!」と言って
ビール瓶を戻した。
そう言われるともう、ケイにぃも返す言葉がなかったようだ。。。
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しかしストーブの火の当番をしている時のカズねぇは
大マタを開き、じつに男らしい!
その姿は一見すると”レディースの総長!”といった感がある。
〜手も足も出すことなく、相手を叩きのめす伝説の総長〜
敵対するチームのリーダーは皆、
その暴舌の前にひれ伏していったという。。。(恐っ!)
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ぶっかけうどん (トッピング:えびの天ぷら)
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「たいちょー! 時間、大丈夫ぅー?」という声で
”暴舌総長”の妄想から我に返る。 時計を見てハッとした!
”ヤバい。。。 投入した時間を測ってなかった!”
でもここでそのことがバレると
せっかく築き上げた”うどん隊長・ステキ☆”像が崩れ去ってしまう。
内心では焦っているのものの、「うん、もうそろそろだね。」と平静を装う。
(めんが伸び伸びブヨブヨになってたらどうしよう?)
そう思うと恐ろしくて自分ではよう確認しない隊長は、
その大事な確認作業を、かずまるさんに押し付けることにした。(爆)
隊長「あっ、じゃあ今回はかずまるさんに見定めてもらいましょう!」
(イッヒッヒ!これで何かあっても、かずまるさんの判断のせいにしよう)
かずまるさん「えっ、いいの? じゃあ!
(ズルズルル〜。。。うどんの煮え具合を確認)
しばしの沈黙のあと、、、、、
あっ、ぜんぜんOK!みんなー、もうできてますよー!」
慌てて隊長も食べてみると、ほんとに丁度良いくらいだった。 よかったぁ。。。
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素うどんならぬ、”酢”うどん!
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今度は”ぶっかけダシ醤油”をかけたりして
先ほどとは違った食べ方で楽しむ面々。
隊長はここで、ちょっとアンダーグランウンドな食べ方を披露。
どんぶりの中のうどんに醤油をかけたあと
酢(米酢などの穀物酢)をたらし、かき混ぜる。
そしてネギ・七味をふりかけ、最後にスダチを絞って出来上がり。
(スダチは香りづけなので、あるにこしたことはないが無くても良い)
これはダシ汁が無い時でも、急いでいる時でも
ササッと作って美味しく食べることができる。
だがこの”酢をたらしてたべる”という食べ方に慣れてない人には案外かもね。
うどんの国のマイナーな食べ方だが、食欲のない夏場でもスッと入るよ。
このあと、”うどんの舞”も第三幕まで食べ進み、生うどんも完食!
「あー、おなかいっぱいになったなー。。。」と、
丸く膨らんだ腹をさすりつつ、コーヒーを入れる。
椅子にもたれかかり、ゆったりとした午後のひとときを楽しむ。
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この年の11月初旬に見事ゴールインした”まるまるコンビ”の結婚式の写真を見せてもらいながら話に華が咲いた。
「いやぁ〜、お二人さん。なんてステキな夫婦なんでしょう!」というくらいお似合いの二人で
ストーブとは別に、ポカポカと温まる思いがした。。。(^;^)
こうして、なんやかんや話して時間が過ぎたというのにいっこうに腹がへらないっ!
皆おなかを見下ろしては「全然おなか減らんのやけどぉ。。。」、「晩メシ入るかのなぁ〜?」と呟いた。 おそるべしっ讃岐うどん!
ってか食い過ぎやろ。(^;^)
讃岐うどんといえば、その源を辿っていくと空海という人物が浮上するわけだが
香川県・善通寺の地に生まれた空海は、四国八十八箇所も残し、香川県民にとっちゃ、まさに”空海さまさま”なのだ。
(〜ウェブサイト空海〜というサイト中の”空海とうどん”はじつに興味深い)
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さて、、、そろそろ陽が暮れてきたので
河原から歩いて油屋美馬館へと向かう。
この季節は夏と違って陽が暮れるのが早いよなぁ〜。
だからといって夜が長いという自覚も無いから損した気分やなぁ〜。。。
などと思いつつ、坂道を登っていると
急に道路沿いの丘上から「メェー、メェメェメエエーー!」という
うるさいくらいの鳴き声が聞こえてきた。
「何っ!?」と思い、見上げると
ヤギが丘の向こうへ走り去るのがチラリと見えた。
「なんでヤギがっ!?」
恐らく誰かが敷地内で放し飼いにしているのだろう。。。
だけどありゃあ、きっとカズねぇを見て逃げたんだろうな。
”くっ、喰われる!汗”って。(^:^)
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穴吹川のふれあい公園から歩いて10分ほど経った頃、大きな館が見えてきた。
意外に坂道しんどかったな。。。 車で来ればあっという間だけど、飲んでしまってたもんでね。(^:^)
ホテルのエントランスを抜け中に入ると、土曜日だというのにガラガラだった。 おかげで温泉浴場は男湯・女湯とも貸切状態だった。。。 |
脱衣所に入り急に伸び伸びしだす かずまるさんとケイにぃ
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それはまるで何かの呪縛から解き放たれた瞬間のようだった(爆)
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油屋美馬館の日帰り温泉は
風呂上りにワンドリンクサービス券が付いている。
他に客のいない静かなロビーで
ソファにどっかと腰掛けソフトドリンクを注文する5人。
すると落ち着いた雰囲気の男性従業員がすぐに配膳してくれるのだが
この時、、ドリンクの横に
”おひや”(冷水の入ったグラス)まで注いでくれるのだった。
「おぉー!こういうのをサービスっていうんだろうなぁ。」感動する隊長。
ケイにぃも「スゴいな、ここ!」と驚いている。
客が少ない時期(時間)だからこそのサービスかもしれないが
こういうサービスを受けると「またここへ来よう!」と思うものだ。
油屋美馬館には頑張って繁盛してもらいたい。(拍手!) |
身も心も癒された5人は、館を出てまた河原へと下り歩く。 途中、アスレチック遊具場の向こうにスゲー長い滑り台を発見!
どうやら下のふれあい公園まで延々と続いているようた。
”ブランコ王子”ことかずまるさんは、こういうのを見るとじっとしていられないようで、すぐに駆けだして行った。
それに感化されたのか?ケイにぃもそのあとを追って走り去った。。。
滑り台の降口で、こちらへ振り向いたかずまるさんが「えっ!みんなはスベらないの? たいちょー、一緒に滑ろうよぉー!」と誘ってきた。
ケイにぃも「これで滑って行ったらキャンプ地まですぐでっせー!」と誘ってくる。
しかし高い場所がからきし苦手な隊長は「ごめんごめん!」と断念。
また、隊長の傍らでたたずむ女性陣二人も各々の判断によってその誘いを断っているようだった。
ひとりは、夫に微笑みを投げかけながら 「もう、子供なんだから!私は歩いて行くからね。」と言い
もうひとりは、夫に冷たい視線を浴びせながら 「もう、ええ歳やのに。 いくつやと思てんねん!」と言い歩き出した。
なんだか、、、夫婦の初旬と下旬を見たような気がした。。。(恐っ!) |
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温泉のラウンジから見える”脇町の灯り”
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真っ暗になったキャンプ地に戻ると
急いでストーブに薪をくべ、夕食の準備にとりかかる。
今日はカレー鍋!
野菜とお肉を鍋にたっぷりと放り込み、煮えるのを待つ。。。
この間にお酒というお酒をすべて卓上に並べた。
するとケイにぃは、その中からおもむろにワインを掴み上げると
スクリーンテントの外へ出た。
「さなまるさん、かずまるさん、ご結婚おめでとぅー! ポンッ!」
コルクが吹っ飛ぶ音とともに”うどん祭り・夜の部”のはじまりです!
二人の仲も、うどんのように
太く、長く、コシ(弾み)のある将来でありますように。(^;^)
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まるまるコンビの暖かい話を聞いているうちに
カレー鍋が完成!予想外にスパイシーなカレー鍋に
一同ビックリしながらも、けっこう食べた
んで、お腹いっぱいになってしまい
けっきょく最後のシメのうどんには至らなかった
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あったかいなぁ〜 楽しいなぁ〜 皆すっかりいい気分
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寒い夜だというのに
薪ストーブのおかげで夜更けまでくつろぐことができた
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これ食べられるかなぁ?と戸惑う、辛いのが苦手な新婦
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「うひょー!」すっかりテンションが上がってしまった新郎
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酸いも甘いも何でも来い!の古郎古婦。(爆)
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このふたりは新婚だというのに、
すっかりいい雰囲気をかもし出してますねぇ!(^;^)
かずまるさんを筆頭に、皆そろそろ眠くなってきたので
体が温まっているうちに車へと駆け込む。
今夜は皆、車中泊なのだ。
シュラフを2枚重ねて就寝。。。zzz
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_____________________翌朝____________________ |
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皆忙しい中、都合をつけて四国へ来てくれたので、疲れていたのだろう。
陽が高くなるまで、なかなか起きてこなかったぞ。(^:^)
男達の朝食は
昨日のカレー鍋にうどんを投入し、玉子でとじた”カレーうどん”!
女性陣の朝食は、兵郷のうどん玉を湯がいて器に盛り
そこへ熱々の兵郷のダシをかけた”かけうどん”!
かき揚げを載せれば立派な讃岐うどんの出来上がり。
朝うどんは、意外とすんなり胃に入るらしく、皆ペロリと平らげてしまった。
「ハァ。。。」という満腹のため息と伴に”うどん祭り”は終了〜!
「これでもかっ!」というくらいうどんを食べ
皆すっかり”コシのあるうどん粉人間”になったところで解散です。
しかし魅惑の味を知ってしまったまるまるコンビは
このあと帰宅途中に香川県でインターを下り、隊長に教えられた
”中村うどん(土器町)”でさらに炭水化物を摂取して帰ったそうだ。
ああぁ、もうしっかり中毒にかかったようだな。。。(^;^)
恐るべしっ、讃岐うどん中毒!(笑) |
ちなみに丸亀市には”なかむらうどん”と呼ばれる店が2つあるが
丸亀市飯山町の方が「なかむらうどん」という表記で、丸亀市土器町の方が「中村うどん」という表記で区別・理解されている人が多い。 |
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それにしても、さなまるさんは
文金高島田の白さと、うどんの白さが良く似合っていましたね。
かずまるさんは、きっと愛妻のために
讃岐うどんを打つ(打たされる?)日が訪れることでしょう!(^;^)
これから二人は”うどんのように太く長い夫婦人生”を歩んでいくのですね。
想像してみてください。
かずまるさんという温かいダシ汁の中で、白く美しく輝くさなまるさん。
となると、、我々うはうは隊の面々は、ちょっとしたトッピングといったところか?
隊長・・・・・・・・ちくわのてんぷら(中身がヌケている)
ケイにぃ・・・・・カキアゲ(脂分たっぷり!)
カズねぇ・・・・・一味唐辛子(ピリリと辛口 ^;^) |