6月が迫ってくると、妙にソワソワし始める隊長。 そう、アユ漁の解禁まで残り何日も無いのだ。
解禁されてしまうと、川にアユ釣り師が乱立することになるので、それを避けて通らねばならずスムーズな川下りがし難くなるのだ。
「5月中にどこかの川を下っておきたい!」 そう思うと、いてもたっても居られなくなってくる。
そこで5/23・24の土日にカヌーツーリングに行こうと企んでいたのだが、今年は仕事が忙しく
しがないサラリーマンである隊長は様々なしがらみに張りつけられられ、結局その土日にはツーリングへ行くことができなかった。(涙)
もうこうなってくると5月の最終週の土日しかないっ! 行きたい河川が、その週に”アユ釣り解禁”されていないか?調べてみる。
と、いずれも5月の最終週の土曜日から解禁されるという結果だった。。。(ガックリ) |
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う〜ん、参ったなぁ。。。 窮地に追い込まれた隊長はさっそく
うはうは隊・八尾支部のカズケイさんに相談。
するとこんな朗報が帰ってきた。
けいにぃ「隊長が行ってみたいとおっしゃってた奈良・吉野川は、
確かに5/30から解禁されますが、僕らが普段よく行く区間は
アユ釣り期間中でもアユ師は居ませんから大丈夫ですよ!」
隊長「アユ釣りが解禁されているというのに
その区間にアユ釣り師が居ないなんて、どういうことなんだ?」
けいにぃ「その区間はカヌーで下る人が多いから、
次々にカヌーが下ってきてアユ師も釣りにならんのとちゃうかなぁ?
もしくは川下り(ラフティングなど)のカンパニーが
漁協と話をつけてるのかもしれないね。(^;^)」 |
なるほど。。確かに奈良・吉野川というのはカヌーのメッカだ。 だから隊長も「いつかはこの川を下っておかねばなるまい」と思ったわけで。。。
でも正直、本当に一人もアユ師が居ないのか? この時はまだ半信半疑だった。。。
この週末の天気は良くなかった。 でも、どうしても漕いでみたい。 一縷の望みをかけ、とりあえず本州へ渡ることにした隊長。
うまくいけば土曜にナラヨシを漕ぎ、日曜はカズケイさんが関西のカヌー仲間と激流下りに行くというのでそちらに寄せてもらおう。
金曜の夜、うはうは隊・八尾支部に到着した隊長は、そこでカズねぇの豪勢な手料理をいただき、泊めてもらうことになった。
その夜は、すっかり立派になったカズケイさんの御子息と話すことができ、とても楽しかった。(^;^)
酒を飲み交わし、語らったあと、明日の天気を気にしながら床に就いた。。。 |
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30日、早朝。
窓の外を覗くと、薄曇りだった。 よしっ!雨は降ってないぞ!
今年はまだ天気に見放されていない隊長。(^:^)
ツーリング後の回送を考慮して、けいにぃの車と隊長の車でナラヨシへと向かった。
今日はカズねぇが仕事で来られない。
ゆえに今回はケイにぃと隊長だけの”おっさん二人旅”となった。(^;^)
いやぁ〜、今年は期せずして男同士のツーリングの機会が出来て嬉しいなぁ〜。
今回、隊長は忙しくて川のリサーチをする暇がまったく無かった。
だけどナラヨシはケイにぃが何度か経験済みで
情報も仕入れてくれていたので助かりました。
要するに今回はケイにぃが案内人となって、隊長を楽しませてくれたのだ。
八尾支部を出発する前、かずねぇはしきりに
「けいにぃ一人乗りで大丈夫かしら?ムチャしちゃダメよぉ。」と心配していた。
しかしそこはケイにぃも立場をわきまえている。
この日のケイにぃは、終始先頭を進み、瀬という瀬の手前でちゃんと留まり
スカウティングしてから隊長を誘導してくれたのでした。(拍手!)
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隊長は奈良・吉野川のその印象から
「ナラヨシって恐いなぁ〜。。。ビッグウェーブあるんやろ?恐いなぁ〜。。。」
とビビッていた。
が、いざ到着してみると、今日の吉野川はマレにない水量不足だったようで
これなら沈しても一気に流されてしまうこともなさそうだった。。。(ホッ。)
しかし、いざ漕ぎ出してみると
水量不足とはいえやはりそのパワーは強力で
操船がうまくいかず、瀬の中でいっぱいいっぱいになることが多々あった。
かと言って、瀬ばかりがあるわけではなく
ちゃんとのんびりした流れもあり、リラックスして楽しむこともできた。
そして心配していたアユ釣り師の”ア”の字も見かけなかった。(^:^)
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ふと気付くと、いつのまにか青空になっていた。
天を仰ぎ見、漕ぐ手を止める。
隊長「静かだねぇ〜。。。」
けいにぃ「ほんと、静かなところですねぇ〜。」
隊長「いやいや、そうじゃなくて、、今日は静かなツーリングだねぇ〜(爆)」
けいにぃ「あっはっは!そういうことね。(^;^) 今頃クシャミしてるかもねー!(笑)」
隊長はどちらかといえば無口なタチである。
そしてケイにぃもまた無口なタチである。
二人はある程度漕ぎ下ったところで、互いに顔を見合わせた。
隊長「やっぱカズねぇが居ないと寂しいなぁ〜。」
けいにぃ「それにノリさんもおらんと、なんかなぁ〜。。。」
どことなく、いつもとは違う雰囲気のツーリングだった。。。
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けいにぃ「でも隊長、ひとりだと漕ぎやすいねぇ〜!」
軽快に漕ぎ回るケイにぃ。
そのあまりにもすがすがしい笑顔を見て思わずツッ込む隊長。
隊長「けいにぃ、いつもと違って今日は爽快な顔してますねー!」
けいにぃ「ハッ! いや、あの、そうじゃなくて。。。
たいちょー、このことはカズねぇに内緒ですよぉ〜!(冷汗)」
すまぬ、けいにぃ。。。 オレ、隠し事はできないタチでね。(爆)
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目に優しい色
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いつもはヤナがあった瀬には何も無かった
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こうして、しばらく静かに漕ぎ進んだ頃
けいにぃ「その先の河原でお昼にしましょう!」
隊長「はいよー!(^;^)」
広い河原に舟を着ける。
けいにぃ「ぼくらはいつもこの河原で昼メシにするんですよ。」
関西のカヌー仲間と伴にビッグウェーブへ出かけているケイにぃが頼もしく見える。
カップラーメンの封を切り、お湯を沸かし始める。
けいにぃ「あぁー、誤算やったなぁー!
今日は天気が悪く寒いだろうと思ってカップラーメンにしたのにねぇ。」
隊長「ほんとにねー、こんなに晴れるとはねー!」
河原の前の瀬で、ポリ艇に乗った団体さんが川と戯れている。
それを眺めながらズルズルと麺をすすった。。。
そして、いぜん無口な二人は
ボソッ、、、ボソボソッ、っと喋っただけでラーメンを食べ終わった。
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お腹が満たされると、途端に眠たくなるオッサン2人。
河原に横になろうとしたそのときっ、
見上げた空には暗雲が立ちこめ、次の瞬間にはポツリポツリと降り出してきたっ!
「あらら!」と思っていると、間もなくサーーーーーっという雨になり
「うわっ、さむぅっ!」と思っていたら、3分ほど辺りを濡らして上がった。
けいにぃ「通り雨で良かったね。」
隊長「けいにぃが”寒いと思ってカップラーメンにしたのにぃ〜”
って言ったのが、お天道様に聞こえたんじゃない?(^;^)」
けいにぃ「もう食べ終わりましたんで、降らんとってくださーい!」
空に向かって叫ぶケイにぃだった。。。
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すっかり眠気が覚めてしまった二人は先へ進むことにした。
ここから先には、けっこうな瀬があると聞いていたので
漕ぎ進むにつれ、隊長の心拍数はバクバクと上がっていった。。。。
やがて、”うわおっ、うわぁおおおーっ!”っというような瀬がいくつか現れ
かろうじて乗り越えることができた。(汗)
危惧していたゴール地点手前の瀬も無事に通過!
けいにぃいわく
やはり今日は水量不足のため、どの瀬もパンチに欠けていたようだ。
だけど隊長はもうギリギリいっぱいだったよ。(大汗)
通常の水量があれば、どんなことになっていたか。。。
ナラヨシの底力を見せつけられた気がした。
カヌーをたたみ、車に乗り込んだところでまた雨が降り始めた。
今度は結構な本降りだ。 今日の天候予報からすれば、
カヌーツーリングが終わるまでにちょっと降られただけ
という恵まれた一日だった。。。
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このあと二人は”かもきみの湯”で汗を流し、八尾支部へと帰還。
家ではカズねぇが御馳走と伴に迎えてくれた。(^;^)
かずねぇは、おっさん二人のツーリング話を聞き、ホッと胸を撫で下ろした。
けいにぃと隊長はテンポのよいおしゃべりを耳にして
”やっぱこの声がないとね”とホッとした。(笑)
この夜、かずねぇは一人でワインボトルを空け
気持ちよく酔っぱらいソファで寝てしまった。。。
よほどケイにぃのことが心配だったのか
安心して緊張の糸が切れたようだった。
そのあとも隊長とけいにぃは深夜まで話し込んだ。
ぼくたちは明日、けっこう早起きをしなければならないというのに
やけに遅くまで話し込んでしまった。。。
それほど内容の濃い話だったということさ。
これはカズねぇが寝ていたからできた話かもしれない。(大笑)
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