08-10-11 那賀川(徳島県)

11日朝、家を出た隊長は徳島市を南下し、勝浦川に沿って車を走らせたあと、那賀川を目指した。
勝浦川の下流域では、前日に雨が降ったにも関わらず、それほど濁ってはおらず清らかな色をしていた。
静かに流れる勝浦川を横目に見ながら、つい「短い区間設定ならファルト(折り畳み式)カヌーでも下れそうだな」と想像する。
下流域では、瀬という程の瀬は見られず、とうとうと流れているので初心者の体験カヌーツーリングには丁度良いかもしれない。
ただ気をつけたいのは”勝浦川はアユ釣り師が多い”ということ。
この日も河原にはRV車が多数停めてあり、釣り師による竿のアーチが連なっていた。
この季節だと友釣りではなくエサ釣りなのだろうか。。。

全国の河川では毎年6月頃〜12月頃までアユ釣りが可能(解禁)となるが
その期間内であっても、10月中旬〜11月中旬までアユ釣りを禁漁期間とする川もある。
それはこの時期(秋)に産卵を行うアユの邪魔をしないために設定されるようだ。
ゆえにこの時期から釣り師が少なくなるようなので、また気兼ね無くカヌーツーリングが楽しめるようになる。

待ち合わせ場所の”道の駅・もみじ川温泉”につくと、もう既にカズケイさんと青さんは到着していた。
そしてすぐあとに、かずまるさんとさなまるさんが到着。 予定時刻よりもかなり速く全員集合できた!
遅刻者無しだなんて、珍しいっ!  あ、いや、、素晴らしい!(汗)
なんだか幸先がいいね!今回のツーリングは事がうまく運ぶような気がしてきた!
。。。という隊長の展望も、このあと木っ端微塵に吹っ飛ぶのであった。。。(涙)

ここから皆で那賀川上流域へ移動! 一度下見に訪れたことのあるケイにぃのあとを付いてゆく。
いくつかの巨大ダムを横目に通り過ぎ、助大橋の左岸にある”ゴール予定地”に到着!
そこは車がゆうに5台は停められそうなコンクリスペースだった。
ケイにぃ「ここですよ!ここをゴール地点に如何でしょうか?」
隊長「そうだね。でもちょっとトロ場だね。流れがほとんどない。」
青さん「この先がダム湖だから、こんな状態なんでしょうね。」
ケイにぃ「いやいや、このあいだ来た時は、こんなに水量が多くなかったんですよ!ホンマですよっ!
      そこに見える”沈んでいる河原”だって、ちゃんと出現してたし、ちゃんと流れもあったんですよぉ〜!(汗)」
カズ丸「なるほどぉ。 どうやら昨夜の雨で、一時的に水量が増してるようですねぇ〜。。。」
さなまる「まぁでも、今日は隊長さんいわく”短時間のピクニックカヌー”ということですから
      トロ場でもいいじゃないですか! のんびり行きましょうよ!(^:^)」
カズねぇ「そうだね!天気もこれから崩れることは無さそうだし。川の状態も元通りになっていくでしょう!」
隊長「よしっ! じゃあココに車を2台デポし、あとの2台に分乗してスタート地点を探しに上がろう!」
全員「ぉおおー!」 各自、荷物をまとめ車に押し込み始めた。

助大橋・左岸沿いにあるスロープ
上写真は増水気味の時です


  ↓ツーレポに載ってない詳細・写真有り↓

かずまる「あっ!
その奇声に全員が振り返る。
かずまる「カ、カ、カメラ、、、さ、さ、さっきの道の駅に
     デジカメ置き忘れて来てしもたぁ〜!あああ。。。」
     (悲しい表情で肩を落とすかずまるさん。。。)

ケイにぃ「えっ!? やっちまったなぁ。 すぐ取りに行っておいで!
      その間に私達で下見をしておきますから。」

という訳でかずまるさんはさなまるさんと伴に道の駅へUターン!

残る4人で”どこかに良いスタート地点はないものか?”と探しに出る。
ケイにぃの記憶を頼りに上流へ車を走らせる。
ごろごうち橋の下流側にある”スタートに適したスロープ”に到着!
(歳のわりに意外と記憶力がいいケイにぃ!爆)

その後、他にも”スタート地点に適した場所”は無いものか?と
西宇トンネルまで足を伸ばしてみたが適当な場所は見つからなかった。
ゆえにトンネルの手前で停車し
「やはり先程のスロープをスタートにすんべな!」ということになった。
スタート地点からゴール地点までは約5キロなので
途中で昼食休憩を挟んでも3時間もあれば余裕でゴールできるだろう。
というわけで今日は歩危峡を眺めながら”のんびりピクニックカヌー”だ!
かずまるさん達が帰って来るまでにまだ時間がある。手持ち無沙汰な我々は「もうちょっと上流まで見に行ってみよう!」と車を走らせた。
今にして思えば、この隊長の発した”安易なひと言”が、このあとに遭遇するピクニックどころじゃねぇ!笑顔も凍る恐怖の川下り!
の引き金になってしまったようだ。 みんな、すまなかったね。m(_ _)m

西宇トンネルを西へ抜け、上流に向けてひた走ると、通行止めになっていた。 そこで交通整理のおじさんに訪ねると
「この橋を渡って迂回路を行くしかない」ということだった。しかたなく我々は、その橋を一旦渡ったところでUターンして戻ることにした。
し、しかし! 橋を渡ったところで、4人の頭に マークが飛び上がった!
そう、4人の目には橋のたもとにある”スタート地点に適した場所”が写っていたのだった。
4人とも色めき立ち、すぐに車から降り見に行く。 するとそこにはやはりス”タート地点にうってつけの場所”があった。。。

過激派のケイにぃは「うおおー!こ、ここから出発するのがええんちゃうん! なぁ、ええんちゃうんー!」とすっかり舞い上がっている。
見たところ確かに、このあたりは普段なら水がチョロチョロ流れる程度の、川下りするには難しい場所なのだろう。
しかし今は、昨夜の雨で水量が増し、なんとか川下り出来そうな状態になっている。 こんなチャンスは二度と無いかもしれない!
隊長は悩んだ。 その湧き上がる衝動を押さえつつ、悩んだ。。。
なぜなら、ここから助大橋まで下ると合計10キロになり、当初予定していた距離の2倍になってしまうからだ。
そうなるとゴール時間が遅くなりそれから海部川まで移動するとなると、到着が夜中になってしまう。

まだ新しい橋(写真)の下にスタート地点を見つけた


そんな時間からテント設営や飯作りはキツい。

隊長「助大橋まで漕ぐと、予定してた時間の倍かかるから
   ここから南宇橋の河原まで漕ぐってのはどうでしょうか?
   それなら6キロくらいだし、ピクニックカヌーになるでしょう!」

青さん「えっ!それじゃ歩危峡(ほききょう)を下らない、ってことっすか?
     だって歩危峡は南宇橋よりも下流にありますからねぇ〜。
     南宇橋で上がってしまうと歩危峡が見れませんよ!」

隊長「ハッ! それもそうだ! オレ、、アホやな。。。」
冷静な青さんが言ってくれなければ
メインの歩危峡(ホキキョウ)を見逃すところだった!(汗)
う〜ん、そうなると区間の設定に物凄く悩むなぁ。。。
カヌーを降ろせるピックアップ地点は限られているしなぁ。。。

ツーリング後の温泉→移動→買出し→設営→晩飯という時間を考えると
Aコース:ここからスタート→南宇橋ゴール(約6キロ:歩危峡なし)か、
Bコース:ころごうち橋スタート→助大橋(約5キロ:歩危峡あり)か、
どちらかを選択しなければならない。
今日は”平常時だと下り難いAコース”を下るチャンスではあるが、”歩危峡を眺めつつ下るBコース”も捨てがたい。
無い頭脳を高回転させている隊長の横で、清流を見て浮き足立つケイにぃ。。。今にも踊り出しそうだ!
そんなケイにぃの無邪気な笑顔を見た隊長の思考回路は、ついにショートしてしまった!

隊長「えぇーい!もうここからスタートして助大橋まで下ったろうじゃねーかっ! AコースもBコースも美味しいところ全部取りじゃー!
    (半ばヤケクソ) ツーリング後に海部川まで移動する時間がなくなれば、もうそのへんの河原でキャンプじゃー!」
ついに考えることを放棄してしまった隊長は
”めったに下れないであろう上流域”と”歩危峡”というすべての欲を選択したのだった。(人間の弱さを改めて知る:恥)

今にして思えば、あの通行止めも「ここからスタートしなさい」という”目に見えぬチカラ”が働いていたのかもしれない。
そしてこのあと我々は、坂道を転がり落ちる空き缶のように、”想定外の恐怖ツーリング”を体験してしまうことになる。。。

区間の設定が決まったので、またゴール地点の助大橋まで戻ると、すぐにかずまるさん達も戻ってきた。
心配していたデジカメは、トイレ掃除のおばちゃんが見つけ、道の駅の受付で保管してくれてたそうだ。よかったぁ〜!(^;^)
二人にツーリング区間が変更になったことを話したあと、そのまま有無を言わせずスタート地点まで連れて行った。(笑)

橋のたもとには写真のような階段がある
おじさんにはちょっとキツい(^:^)


先ほど決めたスタート地点に着くとカズ丸さんが首をかしげながら言った。
かずまる「ココ、なんか見覚えがあるような気がする。
    以前この川をもっと上の方からポリ艇でく下ったことがあるんだ。」

サナ丸「えぇええーっ!あなた何者!?」

かずまる「確か一つか二つ、エグい(危険)箇所があったような気がする。」

急に青冷めるケイにぃ。。。

かずまる「しかしその箇所がここよりも下だったのか?上だったのか?
     はて?どうだったかなぁ? まぁ、どうにかなるでしょう.(^;^)」

浮かない表情のカズ丸さんを見て、隊長はこう読み取った。
おそらくかずまるさんは
”これより下流にエグい箇所があるような気がする”と思ったのだろう。
しかし今この雰囲気でそれは言い出しにくい。
そこで皆に恐怖心を与えぬよう差し障りないコメントに留めたのだろう。

しかし一番心配なのは西宇トンネル西側から山中を流れる区間だ。
クネクネと流れるこの区間は、容易に近づけない場所だ。
ということは逆に、何かあっても容易に脱出できない、という事だ!
下見もできないので、どんな瀬が待ち構えているのか分からない。
というのに、カヌーを始めて間もない青さんを連れて行くとは。。。
ダメな隊長だ! なぜこんな判断をしてしまったのか、情けない。。。

↑まだ笑顔があった頃↑


隊長の頭には「ダッキーだから激流でもなんとかなるだろう」
「危ない所はポーテージすればいいだろう」という考えと
”今までなんとかなってきた”という甘えがあったのだろう。
危険要素よりも”欲”を重要視してしまった隊長の大いなる反省点だ!
同行してくれた皆さん、恐い思いをさせてしまってすまない。m(_ _)m

そしていよいよスタートの瞬間が訪れた。
もちろんこの時の僕らの胸の内は、
上で述べた危惧よりも楽しみの方が上回っていた。。。


勢いよく先陣を切った隊長! しかしその意気込みは空回り。
最初の”浅いだけで何でもない瀬”で沈してしまった。
船底のキールが岩に引っ掛かり、急に舟が止まったもんだから
その勢いで外に放り出されてしまったのだ。粗沈だね、粗沈。(笑)

柔道で言うところの”大外刈り”をくらったような格好で川に放り出され
ちょっと焦る! 瀬の向こう側が淵になっていたため足が付かない。
冷水の中で長く浸かっていては危ない! いやそれよりも何よりも
”このふがいない姿を皆に見られたくない”という思いで益々焦る!
「なんてこったぁ!」 急いでセルフレスキュー!
水中からダッキーの中へ飛び乗った。

よかった、
沈してるところを撮られなくて。。。


この隊長の失態を遠目に見ていた皆は、慎重に漕ぎ下りてきた。
カズねぇ「あれっ?たいちょー、ひょっとして、もしかして、沈してたぁ?」

隊長「。。。(ちぇっ、やっぱ見られてたか、恥ずかしぃ〜。。。)
    そうさ、沈してたよ!粗沈だよ!粗沈っ!(開き直る)
    ダッキーで沈するなんて初めてだよ!」

ケイにぃ「えっ!そうなん!? ちぇっ、オレ見逃してもぅたわ!」

青さん「ククククク。(笑)」 (どうやら彼もしっかり目撃したらしい)

なんだか不吉な予感。。。 さいさきの悪いスタートとなってしまった。。。
この後しばらくは浅い瀬を漕ぎ抜ける程度で、景色を見る余裕もあった。
さなまる「うわぁ〜!キレーイ!
青さん「増水してるって言うけど
    それでもこんだけ水がキレイやったらイイですわ!(^:^)」
そんな穏やかな会話を楽しんでいると、次から次へと瀬が現れ始めた。

渓谷の中を流れているので川幅が狭く、岩がゴツゴツと迫り出している。
岩に乗り上げたり、引っ掛かったりせずに通れるルートはわずかだ!

インフレータブルカヤック
グラブナー(GRABNER)を操る青さん
このカヌーは他のダッキーに比べると
安定感は悪いそうだが、そのぶん動きが鋭敏


しかも、押し出されるような速い流れだったので
瞬時にルートを見極め、操船しなければならなかった。
隊長は一人乗りだったから操船しやすかったが
二人乗り艇は大変だったろう。。。

瀬のひとつひとつが低い段差を伴っているので、その先が見え難い。
慎重に、、、慎重に進む。。。

右側の瀬を漕ぎ抜けたら、今度は急いで左側へ寄せて漕ぎ落ちる。
それを抜けたかと思えば、またすぐ小段差の瀬が見えてくる。
ルートを見極めるのに必死で景色を楽しんでいる暇が無い!(泣)
”のんびり流される”というのではなく、ビュンビュン流される!
素晴らしい景色もビュンビュン後方へ過ぎ去ってゆく。
そのため、このあたりの写真がほとんど撮れなかった。(涙)

しかしながらキレイな渓流だった!
水は薄蒼く濁り、まるで”溶け出したカキ氷”のよう。
この辺りは人が容易に近づけない自然だ!
そんな自然を見れるだけで快い。
こういうことが出来るのもカヌーがあるおかげ。(^:^)
なんという贅沢な遊びだ!

うはうは隊の中では一番危なっかしいケイにぃ
そこをカズねぇがうまくフォローしている絶妙なコンビだ
いやまてよ、
本当はどっちがフォローしているのか分からない(^;^)


めまぐるしく漕ぎ続けていると、
その先に、”川の真ん中に居座る大きな岩”が見えた。
遠目に見たところでは、小段差の瀬の先で
流れがその大岩にブチ当たり、ルートが左右に分かれている。
しかしその先が見えにくい。(怪しい。。。)
隊長の”危険察知アンテナ”がビビビと反応!
これはスカウティングした方がいいな。。。

そこで隊長は小段差の瀬を越えたあと、
大岩の手前左にある小さな岸に舟を着けた。
よく見ると、本流が勢いよく”その大岩”に衝突している!
大岩より右ルートはそのまま下れる。
大岩より左ルートは、その先で倒木が横たわっている。(恐)
「よし!右ルートへ行こう!」

そう確信したはいいが、舟を左岸へつけてるものだから
目の前を流れる”勢いありまくりの本流”を
右岸めがけて突っ切らなくてはならない!
この本流に乗ったまま流されると大岩にぶつかってしまう。
岩までの距離もそんなに無い!

これはちょっと”本気漕ぎ”して
右岸寄りの緩やかな流れに舟を乗せなければならない。
後続のみんなも、私の”必死漕ぎ”の様子を見れば
この状況と照らし合わせて”事の次第”を察知してくれるだろう!

しかしココで誰かが沈するかもしれん。。。
とういうことは、先頭の隊長がここで沈してる場合ではない!

さなまるさん(左)と、かずまるさん(右)
二人ともカッコいいし、頼もしい!(^:^)


「よしっ!」
左岸を思いきり蹴って離れ、その勢いで思いきり漕いだ!
右岸の行きたい方向だけを見て、必死で漕ぐ!漕ぐ!漕ぐ!

こんな時はスピード重視のパドリングに限る!
パドルを浅く差し込み、腰よりも前で上げる短ストローク。
(隊長のように技量未熟な者が、こんな流れの中でパドルを深く入れたり
 長いストロークにすると、かえってブレーキになってしまう)
パドルを左・右・左・右と差し込むピッチも
普段より短ピッチにし、チャッ・チャッ・チャッとテンポ良く漕ぐ。

速くスタートダッシュしたい時も隊長はこのような漕ぎ方に変えている。
短距離走の選手を思い浮かべてみて欲しい。
スタートして何歩目かまでの走り方(フォーム)と、
そのあとスピードに乗ってからの走り方は違うでしょ?
あんな具合にパドリングを使い分けられるのが理想です。(^;^)

また、今回のような場合
”行きたいと思う方向(右岸)”だけを一点に見つめて漕いだ方が良い。
「ぶつかってはいけない」と思う岩の方を見てしまうと
どういうわけかそっちの方へ流されてしまうからだ。

たしか上写真の中央左が大岩
流れは意外に速く、舟を着ける場所も少ない
両岸は断崖なのでポーテージは困難


無事に突破した隊長は、ホッとしながらも
急いで下流側の岸にカヌーを着けた。
「これはやはり、誰か沈してもおかしくない!」
普段なら、そう思ったらすぐにカメラを用意するところだが
この時ばかりはそんな悠長なことをしてられなかった。(残念)
スローロープ(救助ロープ)を手に、岸づたいに歩き上がる。
そしてレスキューの態勢に入った。

後続のみんなも
隊長と同じようにちゃんとスカウティングしている。 よしよし。
そしてそのあと隊長と同じように「ヤベ!」という表情になり
必死の形相で漕ぎ下ってくる。(^;^)

2番目に漕ぎ下りてきたのは、なんと青さんだった!
カヌーを始めたばかりだというのに勇猛果敢な男だ!
おっ!なかなかしっかりしたパドリングをしている。
隊長の予想に反し、上手に漕ぎ下りてきた。(ちぇっ:^;^)
この男、なかなかやるなぁ。バランス感覚がすごくいい!

3番目に漕ぎ下りてきたのは、かずまる&さなまるペア。
タンデム(二人乗り)艇は、その体重分、舟の取り回しが難しい反面
漕力が2人力となるためパワーが出せる!

この写真以下3枚とも
大岩の場所ではなく、もっと上流の写真です↑


二人はちゃんと掛け声を出し、ピッチを合わせ
ストロークを揃えて上手に突破してきた。さすがだね。(^;^)

「なんや、みんな大丈夫やん!
 この調子ならカズケイさんも大丈夫やな。」 安堵する隊長。
最後に漕ぎ下りてくるカズケイさんを、伸びをしながら見守る。。。

「あっ。」
カズケイ艇は、その懸命なパドリングに反し、やや流されている。
向きを修正しようとしたのか?
後席のケイにぃがパドルを差し込むのが見えた。
やばいかも。。。
こんな流れの中で方向修正するにはブレーキで向きを変えるのではなく
まずはフォワードストロークしながら(漕ぎながら)
力の強弱で方向修正する方が良い。
というのは、進みながら(推進力を落とさずに)方向修正できるから。

今回のようにリバースストローク(後退)気味にパドルを入れると
簡単に大きく方向転換できる反面、それがブレーキとなってしまう。
ゆえにこれは最後の手段にする方が良い。(^;^)

みんな「こんなの聞いてないよ〜」という表情だった
気泡(水泡)が多いところでは上方向の浮力が
小さくなるので気をつけよう!(^;^)


この一瞬の出来事で
カズケイ艇は本流を突破できずに流され、大岩へ衝突!(ドガンッ
その拍子に二人とも沈! 「あららぁ。」
先日購入したばかりのスローロープを、早くも使うハメになる。
(持ってて良かった^;^)

流されてくるカズねぇの、やや下流側めがけてロープを投げる。
初めて投げる隊長は焦って、離れた所に投げ込んでしまう。
隊長「あれぇ?(汗)」

カズねぇ「コラぁー!た、た、たいちょー(ブクブクブクぅ)
      わ、わざとかー!(ブクブクブクぅ)」

水泡でカズねぇの頭は浮いたり沈んだり。。。
隊長「はははは(^;^)、ちょっとオモロいからこのまま流してみるか。」

カズねぇ「な、(ブクブクぅ) なに笑いよんじゃ−!(ブクブクブクぅ)」

昔の人はうまく言ったもんだ。”溺れる者は藁をも掴む”
カズねぇは執念でロープをたぐり寄せ、岸に辿り着いた。。。
水もしたたるイイ女(?)を無事に引き上げ、振り返ると
今度はケイにぃが舟を掴んだまま流されてきた。
そして次の瞬間、大波を頭からザブリとかぶったケイにぃは
その反動でカヌーを手放してしまった。しかしそんなことはどうでもよい。
舟やパドルは下流のエディで滞留するからあとで回収すればいい。

上流ではこんな”写真を撮っていられる楽しい瀬”が続く
それを過ぎると川幅が狭まり、次々と瀬が現れるので
写真をとっている余裕がなくなる


危機的状況の中で道具類に固執しすぎて、
自身をさらに窮地に追い込むことだけは避けたい。
そういう意味においてケイにぃの判断は正しかったね。(^;^)

川上から、昔話の桃のように流れてくるケイ。
「よぉーし!今度もロープで救おう!」と思い、
さきほど使った(伸び出た)スローロープを急いで手繰り寄せる。
しかし向こうの方でカズねぇがロープの最後の部分(投げる袋)を
握り締めたままおしゃべりしているではないかっ!(汗)
隊長「おーい!ロープ放してぇー!」

向こうの方にいるカズねぇには聞こえにくいようで
「はぁ?」という顔をしている。

隊長「ロープ!ロープぅー!
隊長とカズねぇとの間で、糸電話のように張り詰めたロープを
グイグイと引っ張って意思表示してみるものの、
ロープはビヨ〜ン、ビヨーンと揺れるだけ。。。
カズねぇはそのビヨ〜ン、ビヨーンと揺れるロープを握ったまま
相変わらず「へっ?何?なんか新しい遊び?」みたいな顔をしている。

「アンタ、旦那が流される姿をそんなに見たいのかっ!?」
ケイにぃはすぐ上のところまで流されて来てるじゃないかっ。(汗)



そこで隊長は、ロープを放さないカズねぇめがけて
銃で撃ちぬくゼスチャーをしてみた。
あの”南海キャンディーズ”のしずちゃんみたいに。。。

するとカズねぇは、隊長の思惑通り
両手を上げて「やられたー!」というそぶりをしてみせた。
やはり大阪のおばちゃん、ノリがいい!(笑)

うまい具合に手放されたロープを、急いでたぐり寄せる隊長!
しかし間に合わず、ケイにぃがそばまで流されてきた。
隊長はロープをあきらめ、川中に立ち入りケイにぃの手を掴んだ。
川下ではかずまるさん達が船とパドルを回収してくれていた。ありがとう!

沈した二人は、その後の行動が対照的で面白かった。
カズねぇは高揚して喋りまくり
「よし!次は頑張るぞ!」と闘志を燃やすのに対し、
ケイにぃは先ほどまでの”舞い上がり振り”がウソのように
シュンとしてしまった。。。(^;^)
沈して流された後は、けっこう体力を消耗してしまう為その先の岸辺でお昼休憩にする。
昼食の準備をしていると、かずまるさんが怪訝そうな表情で「なんか、すごい音がしてるなぁ。」と言い、川下へ歩いていった。
僕たちもあとをついて行くと、”落ち込みを伴った瀬”が目に飛び込んできた! 「こりゃあ、ヘタすりゃ岩に引っかかって転ぶな。」
みんなも同じことを考えていたようで、ここは早々にポーテージ宣言! 昼飯を食べに戻った。。。

その大きな音のする落ち込みを
上から見たところ



           下から見たところ
   右岸に河原があるので下見やポーテージは可能



ごはんを食べる時になって
やっと落ち着いて景色を眺めることができた6人
「キレイやなぁ〜。。。」という
溜息しか出てこなかった。。。



         昼飯の河原にて
   重たい主人から解放されるカヌーたち
   しばしの休息。。。



昼ごはんを食べ終わり、身体も温まった僕たちは、さきほど見た落ち込みをポーテージし、午前よりも慎重に進むことにした。
先ほどのような大岩箇所や、落ち込みがまだあるとしたら、今までみたいに”勢い”だけで突入するのは危険だ。

今にして思えば、あの大岩でカズケイさんが沈してくれて「その先で早めにお昼にしよう」と言って、この岸辺で休憩していなければ
隊長は流れに乗った勢いのまま、あの落ち込みに突入していたかもしれない。感覚のマヒには気をつけたいものだ。。。
しかしあの岸辺で”川の水音”だけで落ち込みを察知したかずまるさんはさすがですね。(^;^)

昼飯のあとに現れた瀬区間(全景)
左岸からポーテージできるが
岩がゴロゴロしていて足場が悪い為
足をひねらぬよう注意しよう


6人は、隊長を先頭にして慎重に漕ぎ進んだ。


しばらく行くと、怪しげな箇所が見えてきた。
無理せず手前の河原に舟をつけスカウティング。
そこは2段の落ち込みを伴う瀬になっていた。
2段とも通れるルートが狭く、ヘタすると岩に乗り上げそうだ。
嫌なことに2段目には倒木が迫り出ている。。。
皆と協議の上、ポーテージすることにした。

皆がカヌーを担いでポーテージする間
ずっとスカウティングしていた隊長は
「一人乗りの私なら、なんとかなるかもしれない」というルートが見えた。
転んで沈するとしたら2段目の落ち込みだろうが、
仮にそこで沈してもその先が緩い流れとなっている。

隊長の水舟を運ぶ(ポーテージする)のは重たいし、面倒くさいし。。。
そう思った隊長は、近くに居たかずまるさんと青さんに
「オレ、漕いで行ってもいいかな?」と言ってみた。
一人旅なら決してチャレンジしないような場所だが、
仲間が居てくれる今は試してみるチャンスだ!
隊長のその申し出を聞くなり、かずまるさんは「じゃあ、僕レスキューしますわっ!」と言い、隊長のスローロープを取って走り去った。
いやぁ〜、じつに頼もしい男だ。 経験値の高い者がいると安心感が違う。(^:^)

さっき見たルートを頭に叩き込み、瀬に突入する隊長! 河原ではみんなが手に汗握り見守ってくれている。
いや、この中の一人くらいは”隊長の無様な沈”を期待していたに違いない!(爆)
今これを読んでいるパソコンの前のあなたも!  (今ちょっとドキっ!としたやろ?^;^)
1段目は、右岸際の狭いルート。
浅いので舟がつかえるかもしれないが、1人乗りの強みで突入!

水深があるところは狭く限られているので
舟を平らにして進むのではなく
左半分に体重をかけ、舟を斜めにして進む。

舟と水中の接地面が小さくなり
右半分が浮いたぶん、岩につかえるリスクを軽減。
体重をかけた左側の水深さえあればいい。
落差の大きい2段目の落ち込みへ突入する前の踊り場。
武者震いしつつ、ここで態勢を整える。
そしていよいよ2段目の落ち込み。

ここで迷いは禁物!
覚悟を決めて突き抜けよう!

問題はこの岩の向こう側だ。見えにくいね。。。
意外と狭い!

波に押されぬよう、勢いをつけて突入!

落ち込みを飛び抜けるような気持ちで。。。
〜♪鳥人・ミルマスカラスのテーマ曲にのせて♪〜



緊張したものの、無事に突破することができた。(^:^)
隊長にとって「己の技量でギリギリだなぁ」と思う場所を
試す(確認する)いい機会となった。。。

こういうことは、条件が揃っていると同時に
仲間が受諾してくれたからこそできることなのだ。

自分は良くても、仲間が
「そら無茶やろぉ、あんたは良いかもしれんが
 もし何かあった時、私らだけではよぅ助けまへんで。」と思われたら
できるものではないからね。
みなさん、ありがとうございました。m(_ _)m。


これより下流で、危ない場所は無かった。。。











「もう大丈夫そうやな」という川相になり、写真を撮りながら下っていると
また、かずまるさんが怪訝そうな顔をして言った。
「たぶん、、、まだ半分も来てないんちゃうかなぁ?」
慌てて時計を見る隊長。
もうこんな時間か。。。そういえば、まだトンネル下まで出ていない。

さなまる「お空のお陽さまが、傾き始めてるんですけどぉ〜?」
やっと景色を眺められる穏やかな流れになったというのに
また大急ぎで漕ぎ始める6人だった。。。(泣)

しかしそうは言っても、川景色はしっかり楽しみながら下った。
渓谷の緑が放出した酸素を、胸いっぱいに吸い込み
カヌーで来なければ見られない滝を堪能!


やがて、向こうの方にトンネル下の道路が見えてきた。
やっと道路沿いまで下って来たのだ!ちょっとホッとする。。。


気をつけよう
沈したあとの
シャッター音


山奥クネクネ区間を脱出したことを知り、皆の表情も緩む。
青さんは表情だけでなく、気持ちも緩んだようで
その先のカーブで岩壁に激突し、沈!

ひょっとすると気がきく青さんのことだから
隊長→カズケイさんと沈したのを見て
「ここでオレが沈しないわけにはいくまい!」
と思ったのかもしれない。

KYと呼ばれるオヤジが多い昨今だが、
彼は空気が読めるすばらしいオヤジであった。。。(^:^)











赤い南宇橋をくぐり抜けたら、今度は青い出原橋。
この辺りまで来ると川幅も広く
流れはすっかり落ち着き、瀬というほどの瀬も無い。
先程までとは一変、人の香りが漂い始める。

そして蔭井橋をくぐると、ようやく”歩危峡”と呼ばれる区間が現れる。
純白の河原と、濃蒼の水色。 見事だ!

ここは流れも穏やかで、視界も開けているため圧迫感がない。
紅葉の時季にフォールディングカヌーで優雅に下るのもいいだろう。
来年は南宇橋の河原でキャンプしたあと
そこからスタートし、助大橋まで下る約3時間の
”のんびりピクニックカヌー”といきたいところだ。(^:^)

この区間なら初級者も安心して楽しめるから
初めての人をここへ連れて来たら一発でカヌーにハマるだろう!









陽もすっかり傾き、川が山の陰に包まれた頃ようやくゴール地点に到着!
そこでは”人なつっこい鴨たち”が僕達を出迎えてくれた。





さっそくエサとなる食べ物をゴソゴソと取り出すかずまるさんとさなまるさん。
かずまる「はーい、みんな、ちゃんと並んで、並んでー!」

鴨「ガァーガァーガァー!」

かずまる「お行儀良くしないと、あげませんよー! はい!おすわりっ!」

さなまる「いやいや、そりゃ無理やろ!?
     既に座ってるようにも見えるが。。。(汗)」

鴨「ガァーガァーガァー!」

かずまる「だから、おすわりっ! ハスティーおすわりっ!」

さなまる「勝手に名前つけんなよっ!(あきれ顔)」

鴨「ガガガァー!ガガガァー!

かずまる「もぉ、、、仕方ない子たちだねぇ〜、ホレっ!」
鴨「ガァガァガァガァガァガァー!
壮絶なエサの奪い合い。 その混乱のスキに忍び寄る魔の手。。。

ガシッ!

かずまる「よっしゃあー! 今晩のおかず、獲ったどぉおおおーーー!

隊長&ケイにぃ&青さん(男性陣)「かーもー鍋!かーもー鍋!かーもー鍋!」(大合唱)

さなまる&カズねぇ(女性陣)「。。。。。ギロリッ!(はしゃぐ男性陣をにらみつける)」

男性陣「かーもーなべっ!かーもーな、、、アッ! (女性陣の視線に気付く。。。:汗)」

ケイにぃ「かずまるさぁ〜ん。。。  ど、どうやら違うみたーい!」(小さな声で伝える)

女性陣の冷たい視線に気付き、慌てて鴨を逃がすカズ丸さんであった。。。



舟を片付け終わると、急に寒くなってきた。
僕達は急いで”もみじ川温泉”へと向かった。



風呂上り、すっかり暗くなった外を見て、みんなで協議。
「今日はもう遅いので、この道の駅で晩飯を食い
 そのあと海部川へ移動し、テントを張って寝ることにしよう!」

←道の駅の食堂でニンマリする6人。
 脂の載ったアメゴ寿司はうまかった!
これをノリさんが知ったら
「自炊せんかっ!このフヌケ隊長がっ!」と怒られそうだが
今回は”デジカメを保管しておいてくれた道の駅”に
お金を費やすことができたのだから、これでいいのだっ!





すっかり満腹になった僕達は、このあと海部川へ向けて夜道を急いだ。
風呂で体が温まり、お腹も満たされたおかげで、睡魔が襲ってくる。
この睡魔と闘いつつ車を走らせる男性陣の気持ちを知ってか知らずか?
助手席の女性陣は、すっかり夢の世界へ旅立とうとしていたらしい。。。
隊長「女ってぇのは、のんきなもんだなっ。。。」
(やべっ!こんなこと書いたらどつかれるっ!
 今度会ったら、オレ絶対どつかれるわっ!:大汗)

このあと隊長は、皆を先導して走っているというのに
目的の野宿地を通り過ぎてしまうという失態をおかしてしまう。。。

今日一日、隊長に翻弄されたみんなは、きっと
「目的地をスルーしてまうわ、
 のんびりピクニックカヌーなんか有れへんわ、
 どっちが呑気やねんっ!?」と怒っているだろう。(汗)


←テントを張るよりも、まずブランコに飛び乗るかずまるさん。
 その横で「この人、いつになったらテント張ってくれるんだろう?」
 とあきれ顔のさなまるさんであった。。。(^;^)


こうして、予定とはまったく異なるドタバタな一日が終わった。。。
みんな無事でよかったよ。。。



野宿地で今日の無事を祝う!

化粧を落としてしまったカズねぇは顔をそむける。
化粧を落としても自信のあるさなまるさんは笑顔をむける。

(カズねぇは化粧しなくても充分キレイなのにっ!
 と、言っておかなければ、あとでシバかれる。。。^;^)


翌日の海部川カヌーツーリングへとつづく。。。
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