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朝、目覚めると、テントの外でガサゴソする音が聞こえてきた。
どうやら、かずけいさんはもう起きてるようだ。
身支度を整え、テントから顔を出すと
けいにぃが「おはようございます。」と言った。
その顔は、「今日オレ、清流漕ぐんだもんね!しかも快晴だもんね!」
と喜びに満ちあふれていた。
昨日の06-08-05九龍島に引き続き
”夏休みイケイケ旅シリーズ”第2弾 赤木川カヌーツーリングなのだ!
今日は大阪からバイク部長ノリさんとモコさんが
駆けつけることになっている。
かずけいさんが入れてくれたコーヒーをすすりながら
首を長くして彼らを待った。。。
太陽がジリジリと昇り始め、セミの鳴き声も激しさを増してきた。
朝早く起きたせいで、けっこう時間を持て余す3人。
カップの中のコーヒーも、いよいよ残り少なくなってきた。
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隊長:「。。。。。、 まだか!バイク部長はまだ来ないのか!」
けいにぃ:「今どのへんを走ってるか、聞いてみては?」
隊長:「うむ。」(バシバシバシ!)メールを送ってみた。
数分後、返信が帰ってきた。
隊長:「今、○○インターを過ぎた辺り、だって。」
けいにぃ:「う〜ん。。。 こりゃ、まだ1時間はかかるなぁ。。。
そんなにココで待ってたら、コーヒーでお腹が
タップンタップンになっちゃうよ。
ただでさえタップンタップンなのに。。。」
かずねぇ:「そんなにココで待ってたら、私の白魚のような肌が
陽に焼かれて干からびてしまうじゃない。。。」
隊長:「よしっ! じゃあ、のりさん達は放っておいて
もぅ、清流へ行っちゃおうぜー!」
かずけい:「おぅー!」
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という訳で、あっという間に赤木川の上流部へ来てしまった。
適当な場所をスタート地点に選び、ダッキーを膨らませる。
舟に空気が入っていくに従い、
のりさん達のことなど遠い記憶の彼方へ飛んでいってしまった。(笑)
こうなればもう、あとはこのうるわしい水面に浮かび
流れに身をゆだねるだけであった。。。
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けいにぃは、漕ぎ出した瞬間から
メドゥーサに笑顔のまま石にされたように、終始笑って流れていた。
よっぽど嬉しかったのだろう!
この笑顔を見せられたら、かずねぇも「ダッキーを買ってよかった」
と思うしかない。 いやまてよ。
最初こそ”カヌーなんて何よ?”という感じだったかずねぇだが
今では、けいにぃよりもハマっているのでは?と思うほどだ。
こうして、至極のアイテムがどんどん増えていくのだ。(笑)
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のんびりと、清冽な流れを下る。
透明な中にも、美しい緑色が染み、とても目に心地良い。
赤木川は”ただ浅いから透き通って見える”というだけではない。
川底の石ころが、とても綺麗なのだ。 そういう意味では
”いくら透明であっても、底が汚濁物で覆われているような川”とは
一線を画する。
両岸の緑も目に心地良い。
空気も美味しい。
この景色はカヌーで流れて来ない限り見ることはできない。
これだからカヌーはやめられない。(^;^)
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静かに、静かに、川面を流れていくと、前方に
美味しそうな、いや、愛らしい小動物が目に入った。
彼らは、水面を左へ渡ったかと思うと、クルリと向きを変え
今度は右へと引き返した。かと思えば、また左へ渡り
これを何度も繰り返していた。。。
彼らを驚かさぬよう、静かに、遠巻きに追い越した。
彼らも、遠巻きにこちらの様子を伺っていたが
バタつくことも慌てふためくこともなかった。
隊長の舟が白色で、かずけいさんの舟が黄色。
野鳥にもありがちな色だったからか
「大きな水鳥やなぁ〜」くらいにしか思わなかったのかもしれない。
もし、赤色や緑色の舟だったら、彼らも焦るのだろうか?
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などといった思いをめぐらせつつ下っていると
本日の区間で唯一、ゴツゴツした大石だらけの瀬が見えてきた。
”小口自然の家”の上流側で二股に別れた川筋を
左へ進むとこの場所が現れる。
(右は、途中で水が無くなってそうな感じだった)
水量が少ないため、グイグイと大石を乗り越えて進むしかない。
途中で舟がつかえたら、一旦降りて舟を押し出す。
そしてまたすぐに乗り込む。 大石を交わしながら進むのに忙しくて
後のかずけいさんを見る余裕がなかった。
この瀬を越えた右岸に、小さな河原があるのでそこに舟を着ける。
かずけいさんは大丈夫だろうか?と見に行くと
つかえながらも、なんとか下って来ている。 よかった、よかった。
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その小さな河原でお昼ごはんにする。
そろそろ、のりさんも野宿地に着いているだろうから
この河原まで来てもらい一緒に下ろう!と思い電話する。
しかし、隊長のドコモは電波がつながっているというのに
のりさんのauはつながってなかったようだ。
何度やっても留守電につながる。。。
こうしてる間にも、のりさんは野宿地で
「たいちょーどこ行ってん?たいちょょょおおおーーー!」と
わめいているかもしれない。
ええい!仕方ない。 お昼はお預けにして野宿地まで下ろう!
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それから半時間くらい流れてきたであろうか。
見慣れた河原が見えてきた。
野宿地に目をやると、まさに「今、テント張り終えました!」って感じの
のりさんとモコさんが居た。
(なんや、丁度良かったんじゃねーかっ!)
舟を岸に着け、河原を上がっていくと、
隊長の顔を見るなり、のりさんは切ない表情で
「なんで待ってくれんかったんや!
あれほど”○時くらいに着くから待っててね☆”って
アホな女子高生風のメール送ったのにぃー!プンプン」と怒った。
それに対し隊長は
「あぁ〜い、とぅいまてぇ〜ん!」と、ごまかすしかなかった。。。ですよ!
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野宿地で、一緒にお昼ごはんを食べ
ここからまたカヌーに乗って下る。
隊長の”白馬の王子号”に、のりさんとモコさんを乗せ出発!
穴吹川で会得した3人乗りだ。
しかし、今回はなぜか、あの時のようなトキメキはなかった。。。
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「ヒュー! ウォータースライダーじゃあー!」
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水中メガネで、ちびっこ魚を見つめるチビッコ
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のりさん:「おぅ、たいちょー! えぇとこに来た。乗せてちょ!」
隊長:「うん、ええよ! 乗れたらの話やけどな。(笑)」
のりさん:「えぇ〜? よいしょ。 うんしょ。 アカン、登れへん!」
モコさん:「あんた!そのハラ、どうにかしょうや。」
のりさん:「。。。。。」
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のりさん:「ふんっ!ええわ、ええわ!
もぅ、かずけいさんに乗せてもらうわ!
バーカ!たいちょーのバーカ!バーカ!」
結局、優しいかずけいさんに乗せてもらうノリさんであった。。。
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その後も、水中に浸かっては体を冷やし、
体を冷やしてはまた漕ぎ、を繰り返した。
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隊長:「もぉー!結局、オレ一人が漕いでんじゃんかー!」
のりさん:「だってオレが一緒に漕ごうとすると、
舟が回り始めて前に進まへんのや。」
隊長:「なんか、うまいこと騙されてるような気がする。。。」
モコさん:「どっちでもえぇから、早くお漕ぎ!
あ〜、楽チン楽チン!(^;^)」
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かずけいさんのライジャケには
100円ショップで購入したメッシュバッグが縫いつけられている。
最初、二人のライジャケにはポケットが付いてなかったが
けいにぃが、
「隊長のライジャケにはポケットが付いてるんや?
やっぱ、ポケット欲しいなぁ〜。あんなん欲しいなぁ〜。」
と言うので、かずねぇが取り付けたそうだ。
その出来映えは”100円ショップで買った物を縫いつけた”と聞くまで
気がつかないほど綺麗に縫いつけられていた。
そんなライジャケがあるのかと思ったほどだ。(^;^)
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モコさん:「やっぱり、タイチョーモーターはえぇなぁ!」
隊長:「ひ、ひ、ひとでなしぃぃぃー!」
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隊長:「おっ、もうそろそろゴール地点やで!」
のりさん:「なんや?もう着いてしもたんかいな!」
今回初めて、野宿地から堰堤までの区間を漕ぎましたが
危険な箇所もなく、本当に気持ちの良い川でした。
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野宿地に戻った僕らは、またすぐに川へ飛び込み
魚を追いかけ回すのだった。。。
ヤスと網を握りしめ水中に潜る姿は真剣そのものだった。
一度、ヤスがアユにかすった隊長は、そこでスイッチが入ってしまい
みんなは温泉に行くというのに、一人、陽が暮れるまで潜り続けた。
そして、熊野川温泉”さつき”から帰ってきたみんなに
「どや? 人数分、突けたか?」と聞かれ、
恥ずかしそうにうつむくのだった。。。
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のりさん:「なんや、アユ無いんけ!
たいちょーがアユを突いてくれると思うて、
おかずをひとつ減らしたのにな〜。」
けいにぃ:「そうか残念やなぁ。
今日はこの網でアユが焼けると思ってたのにな〜。」
モコさん:「せっかく私の網、貸してあげたのになぁ〜。」
かずねぇ:「ヤス、持ってたんやろ?5本バリのやつ?」
隊長:「。。。。。(お前ら突いたろかっ!)」
”夏休みイケイケ旅シリーズ”第3弾 06-08-07魚跳渓へ続く。。。 |