05-04-30〜02 熊野川(和歌山県)


今旅からのニューアイテム!”手回し式携帯充電器・LEDライト付”
これさえあれば川の上で携帯のバッテリーが無くなっても安心。
イザという時、ライフラインがあるというのは心強い。
ライトは手回ししなくても点灯可能。
こないだこれを会社の人に「どうだ!スゲーだろ!」と自慢していたら
上司:「川の上とか、山奥に行くんだろ?いくら充電できても
     電波が届かなきゃ意味ないじゃん!」
隊長:「ハッッ!(硬直)」


GWに突入した29日の昼過ぎ、熊野川に着く。
四国民の私にとって、ここまで来るのはさすがに遠かった。
 熊野川は観光地として有名だが、カヌー乗りの間でも名の知れた大河なので
前から「一度は行きたい!」と思っていたのだ。

熊野川に着いて早速、上流に向けて車を走らせる。
私は単独行の場合、できるだけその川の上の方から下の方までを漕ぎたいと思っている。
上の方は水量が少なく、浅瀬を歩く手間はあるが、
それもその川の姿なので、できるだけその川にふれる為、上の方をSTART地点にしている。
といっても川に下りられる良い場所があればの話だ。
 今回は、道の駅”奥熊野古道ほんぐう”のすぐ上、三里橋の河原をSTART地点にした。
道の駅からも広い河原へ下りられるのだが、道の駅に「キャンプ禁止」とあり、
それを無視してテントを張ったとしても道の駅の観光客の視線を常に浴びることになるからだ。

橋のたもとにテントを張り、その中に明日からの川旅道具一式を放り込むと
今度はGOAL地点へ車を置きに向かう。

河口付近は車で河原へ下りることのできる道があるのですが、
1ヶ所を除き、いづれも車止めがなされていた。
ゆえに、とりあえず河口をGOAL地点にし、車は別の置き場所を探すことにした。
というのも、その時点では車止めが空いていたとしても
数時間後には閉められるというケースがあるからだ。
特に、雨が降って増水が予想される時などは、ほとんど閉められてしまいます。
それもこれも、増水で人が流された!とか人がケガをした!となると
「行政側はいったいどんな管理をしてたんだ!」と怒られるのを避ける為です。
その他にも、車で入ってきて何かとんでもないことをしでかす人がいるんでしょうね。
ですから今では、イベントや用事がある時以外は車止めがなされているところが多いです。

さて、車の置き場所に困った。。。
熊野速玉神社は観光客の車でいっぱいだし、路駐も2,3日放置しておくのは気がかりだし。。。
パーキングに預けるしかないか?と諦めかけた時、かなりGOODな場所を発見してしまった!
そこは人目につきにくい場所で、何日か放置していてもうるさく言われないであろう場所であった。

道の駅”瀞峡街道熊野川”に併設されている食堂「かあちゃんの店」で
食べた”茶粥(ちゃがゆ)定食”。右奥が茶粥。右前がメハリ寿司

(おおやけにはしたくない場所の為、知りたい方はメール下さい。
 「今度のカヌーツーリングで利用したいから教えて下さい、という方にはお答えします。)

車を置いたら、今度は折り畳み自転車をひろげ、先程のSTART地点に向け走り出す。
河原に下りられる場所があれば寄り道し、川の状態を下見しながら、
車で約50分の距離を、約4時間かけて戻る。 たまにはこんなバカなことをするのもいいもんだ。

自転車に乗っていて毎回必ず”必死コギ”する時がある。
ひとつはトンネル内を走行する時。
両サイドに幅約60センチの歩道があるのですが、自転車で走行するには狭いし、
かといって車道を通るのは、たとえライトを付けていても車が脅威に感じられるし。。。
車にぶつけられてもシャレにならんから私はいつも歩道を必死コギします。
なぜ必死コギかというと、私、恐がりなんです。 トンネル内って暗いでしょ。。。(爆)

もうひとつは、片側工事中の区間を走行する時。
信号機が赤から青に変わると、まず車を全部先に行かせて、最後に必死コギで走り抜けるのだ!
なぜ必死コギかというと、向う側の信号機が青に変わってしまわないかドキドキするからです。
車ならあっというまに通り抜ける距離でも自転車では時間がかかりますからね。
私が通り抜ける前に、向うの信号が青になり対向車にブンブン来られても困るんでね。。。

川旅前日のテントの中はいつもこんな感じ。
半分は荷物に占領され、半分のスペースで寝る。
船もバッグに入ったままだ。(右中の黒いバッグね)

途中、道の駅の食堂で遅い昼メシをとる。START地点に戻る頃、辺りは薄暗くなっていた。
近くのスーパーで飲み物を多めに買い込みテントに戻る。
なんてたって今回の川旅は誰もいない河原でニ泊して下る予定なので水分だけは切らしたくない。
イザとなりゃ川の水を飲めばいいんだけどね。(笑)

いつもは、ほとんどデイツーリングになってしまうのだが
今回は久しぶりに”誰もいない河原でキャンプ”しながら下ろうと思った。
それは熊野川の全長が長いので、何日かかけて下ることが出来るからだ。
 キャンプ地は”車が下りられる河原”にすれば、船に重い荷を積まなくても
その河原に着きさえすれば車から色んな物を取り出すことができ便利なのだが。
私は今回あえて、重たい荷を船に積み旅に出る方を選んだ。
 単純に、原点に戻りたかったのだ。。。
自分のペースで、のんびりと、ただひたすら川を下りたくなったのだ。
「あ〜、もう荷物は重いし、不便やしぃ〜、つらいしぃ〜、、、でもオレは自由だ!一人だ!」
という思いを久しぶりに味わいたくなったのだ。

だけど一番の動機は野田さんの本だった。。。
「ぼくの還る川」の中で”単独行がしたい”という章がある。
有名になってしまった野田さんが今、川を下ろうとすると
必ずと言っていいほど編集関係や利害関係のお連れと一緒に川を下ることになる。
そんな折り、野田さんが「昔のように一人で川を下りたい!」と思い立ち、釧路川へ行く話だ。
 私は最近の野田さんの本を読んでいて
「なんだかパンチ無いなぁ〜。野田さんはプライベートで一人で下ることがあるのだろうか?」
と嘆いていたところだったので、この章を読んですごく嬉しくなった!
「なんだ、野田さん、まだ冗談が言えるじゃん!」って、涙が出そうになった。。。
フリーノット 防蚊クールグローブ 3本カットマルハチ産業 手動式強力ポータブルシャワーキャプテンスタッグ 着替えテントケンユー ミニマルちゃん


_______________________1日目______________________

30日の朝。
橋の下でテントを畳み、我が相棒”ハードボイルド号”を組み立てる。
久しぶりに組み立てるのですぐに息が上がる。フーフー言いながら荷物を船に積みこむ。
いつも、この最初のしんどい作業さえ我慢すれば。あとは素晴らしい時間が待っているのだ!
 10時くらいに準備を終え、いよいよ出発! ”熊野川カヌーツーリング”のはじまりである。
今回は荷物をいっぱい積んでるから、なんとも川旅らしいな。(笑)

透き通った水面にスーッと漕ぎ出した瞬間、私の心は一瞬にして潤う。
この感覚は実際に体験してみないと文章を読んだだけでは分からないだろう。
だから、未経験者はぜひ自分の手で漕ぎ出してみて下さい。静かに、スーッとね。
五感の全てが心地良く感じられるから。。。


 ↓熊野川の詳細はこちら↓
地図を見ると、私が出発した三里橋から熊野川(新宮川)となっていた。
それより上流(ニ津野ダムまで)は十津川と言うらしい。

それにしても広い。 デカい。
この辺りは水量が少ないので、つっかえては船を引っ張って歩く。
水の中をジャブジャブ歩くのも気持ち良いもんだ。(^;^)
 と思っていたら、思ったより歩く区間が多くてイヤになってきた。(笑)
「しまった、スタート地点をもっと下にしておけばよかった」と思っても、もう遅いのであった。
 一番厄介なのは、浅瀬が大きくふたつに別れていてその先が見えない所です。
どっちを行けばいいのか? 判断を誤ると、大変ご苦労なことになってしまうのです。
私は今回も、その”大変ご苦労なこと”になってしまった。

キャンプ場”熊野本宮わくわくの郷”の前で、川が大きくふたつに別れていた。
どちらも浅く、しかも先が遠くて低いので見えない。
これといった判断材料が無いので地図を見ると、川は右側に描かれてあった。
なので右にルートをとり、船を引っ張って歩く。
かなり進んだのだが、全然水量が増さない。
かといって引き帰すことも出来ない所まで来てしまっていたので、さらに突き進む。
しかし私の努力もむなしく、その先で水が絶えていた。。。
困った。。。引き帰すって言ったってなぁ〜。。。
河原(中州)を挟んで向う側にある流れを見に行くことにした。
どうやら、そっちが本流だったようだ。
 今から引き返して左側を行く体力はもう無い。
しかたなく、船の荷を全ておろし、河原(中州)を挟んだ向う側の流れまでカヌーを運ぶ。
三往復して荷物を運び、再び船に積み込み出発!
「あぁぁ〜、熊野川さま。なんて試練を私にお与えになるのでしょうか!」

疲れたのでここで昼メシにした。




わくわくの郷キャンプ場が見えてきた


この辺りは浅瀬で遊びやすそうだ。魚も小さいのがたくさんいたよ


旧熊野本宮跡地に立つ大きな鳥居。
広大な河原が広がる。
当初、私はこの河原でキャンプしようかと考えていたが
いろいろ調べていると、どうやらこの辺一帯は聖域のようなので控えることにした。

川からパンッパンッと手を合わせ、「大富豪になれますように!」と祈る。

聖域を越えた辺りに、ダンプ用の架け橋があった。
あんがい聖域もナメられたもんだな。。。
神聖なる川、世界遺産の川も、ダンプ1台通すために3メートルまで狭められる。
きっと、しなくてはならない大変重要な工事があるんだろう。。。
五月の新緑。
イキイキとして美しい。 いい季節だ。。。

稚魚がいっぱい。
小さな命に、これからの躍動感を感じる。


体長10センチほどの雑魚もたくさん。
こういうのを網で捕まえるのは、実に楽しい。

数屋大橋を越えて1キロほど行った左岸に広い河原を発見。
近くには雑魚釣りが楽しめそうな場所があり
人工物も、川を挟んだ向う側に道路が少し見える程度だ。
ここなら誰も来れないだろう。
オレだけの河原だ! 今日はここでキャンプだ!
テントを張り終えると、さっそく竿を片手に釣り場へと歩く。
岩がゴロゴロした山際を歩いて釣り場へ行こうとしたが、
両手が釣り道具でふさがっている為、途中転びかけて危ない思いをした。
単独行の場合、リスクは全て自分持ちということを再認識し、引き返す。
そして釣り場へはカヌーに乗って出かけることにした。

釣り場に着くと、大きな岩に飛び移り、船をロープで固定。
小さなウキをつけ、のんびりと雑魚釣りを楽しむ。
テンカラ竿での雑魚釣り。 こんなことばかりしているので、テンカラの腕は一向に上がらない。
テンカラ竿が泣いている。。。

このテンカラ竿は友人からの贈り物だ。
一度折れてしまい、近所に修理に出すような店が無いのでお蔵入りしていたのだが
先日、別の友人の協力で修理することができ、再び現役復活することが出来たのだ。
この竿は友人の好意がいっぱいつまっている大切な竿なのだ。。。

雑魚釣りも、ハリの返しをつぶしてやると面白い。
返しが無い分、ハリ掛かりが悪く途中で逃げられてしまう為、緊張感が出るのだ!
「雑魚釣りも、ちょっと工夫で、この面白さ」(←どこかで聞いたようなフレーズですね:笑)
川旅に便利な浄水機。
これだと、ミネラルウォーターを買い込んで重い荷物になることもない。
必要な時に必要なだけ得ることが出来る。
面倒臭がりの私は、あいかわらずこんな料理しか出来ない。
荷物のことを考えるとコレが一番手っ取り早いのだ。

ただ、いつもと違うところがひとつだけある。。。
そう、いつもはミートスパなのだが、今回は和風きのこスパにしてみたのだ。
たいして変わらへんやんけ!と言うなかれ。
後片付けの手間が全然違うのだ!
和風きのこスパは、スープスパっぽくサラッとしている為、簡単に洗えるのだ。
これは意外な発見だった。
ますます簡単な方へ走る私であった。。。

食事を終えると、テントの中で寝っころがって読書。
だんだんと陽が暗くなり、いつのまにやら寝てしまった。。。

ふいに目が覚めると、辺りは既に真っ暗になっていた。
また眠ろうと寝返りを打つと、テントのそばに石ころが落ちてきた。
音から推測すると、こぶし大の石ころが山からゴロゴロと転がり落ちてきたようだ。
「なんじゃ?」と思っただけで、また眠りに就こうとしたら、
また同じように山から石がゴロゴロと転がり落ちてきてテントのそばでとまった。
「なんじゃ?なんじゃ?」とアセッて耳をすましてみると、、
山の方で”ミシッ、ミシッ。。。。。ミシッ”と何者かの足音がする。
音の大きさと間隔、状況から判断すると、こいつはサルの仕業だな!
 仕方ないので、「ゴホ、ゴホッ!」と咳ばらいをし、
ライトをつけてテントの中を意味もなくグルグルと照らしまわった。
そしたらそれ以降、何も起こらなかったので、安心して眠りについた。

足音が恐くて野宿なんかやってられないのである。
あっ!でもこんな人もいたな。
大阪組のノリさんとキャンプした時、ラジオを引っ張り出してきて横に置くもんだから
「あっ、明日の天気予報きくの?」って聞いたら
「ううん、違うよ。夜中に変な音が聞こえたら恐いやん!だからコレつけておくの。」だって。。。
そのイカツイ格好からは想像すら出来ない発言に、私はズッコケた覚えがある。(爆)


_______________________2日目______________________

翌朝、テントから這い出すと、山の方へ向かって放尿。
放尿しながら、山のあちこちを「おいコラ、サル!なめんなよ!」と見まわす。

昨日、携帯で天気予報を確認したら、今日は昼頃から雨、ということだったので
早めに起きて出発することにした。
 雨の中で船を漕ぐのは嫌だし、雨の中でテントを立てるのも嫌なので
今日は雨が降る前にキャンプ地を決め、早めにテントに入ろう。
ということは船を漕げる時間が少なくなるので、
そのぶん出来るだけ距離を稼がねばならない。
要するに今日はのんびり漕いではいられないのだ。

熊野川沿いは幸い、携帯の電波がほとんどつながっていました。実に助かります。



↑今回の荷物
日焼けで失われがちのビタミンCを補う”アセロラジュース”と
不足しがちな野菜を補う”KAGOME野菜ジュース”がポイント


カヌーから足を投げ出し、まったくだらしない格好で漕ぐ。
こんな格好だと、「あらっ、カヌーだわ!写真を撮りましょう!」とカメラを向けた人も
「なにアレ?あんなだらしないカヌー。あれほんとにカヌーぅ?」と言って立ち去るであろう。


出発して1キロ程の所に、発電所の排水溝があった。
暖かい水が出ているせいか、マゴイがたくさん泳いでいた。
しかもほとんどが60センチサイズ!
人なれしているのか?船なれしているのか?
はたまたエサを与えてくれると思ったのか? 近くを泳ぎまわる。
今度はぜひパンを持ってここを下りたい!


岩の上にサル軍団が。。。
カメラを向けると一斉に逃げ出した。
サルというのは、よっぽど”視線”がキライなんだな。。。





←途中、たくさんの岩が転がった瀬があった。
 どこを通っても船先を岩にぶつけそうで、自分がパチンコ玉になった気がした。

宮井大橋をぬけると、左から支流・北山川が流れ込み、より一層漕ぎやすくなった。
というのも北山川から熊野川の志古まではジェット船が往来している為
船が座礁せぬように川の水深が保たれているからだ。

8:30の第1便が出る前に、志古乗船場の前を通り過ぎた。
かなりのハイペースで下ってきたな。 空はもう少し持ちそうだ。

連休週だったのですが、ここまで一人もカヤッカーを見掛けなかった。
そのかわりルアーマンを多く見かけた。
熊野川にはサツキマスやサクラマスが遡上してくるので、それを狙っているようだ。
 志古を過ぎた辺りに、流れが狭くなり水の流れが速くなっている所があった。
大岩が真ん中に沈んでいるのが見えたので、右か左を通らねばならない。
迷わず左へ行こうとしたが、そちらにルアーマンが立ち入っているのが見えた。

観光ジェット船の志古乗船場

「うわっ、どうしよう!右へ行こうか?」と迷っているうちに
船はアッという間に大岩の前まで来てしまった。
「しまった!ここは勢いをつけて岩を乗り越えるしかない!」
 「それっ!」っという私の掛け声とは裏腹に、船はまんまと岩に乗り上げてしまった。
そこは水の流れが速い為、これまたアッという間に船が真横に向いてしまった。
ヤバイ! これは俗に言う”一番ヤバイ態勢”じゃないかっ!
真横に向いた船は水流を受け、あとはもうどちらかに倒れるしかないのだ!
この時は押されるような形で川下に向かって倒れようとしていた。
ついに、私の脳裏に”沈”の一文字がよぎった。。。
「うっわぁ〜、しまったぁ〜、荷物がぁ〜」と思った時
ふと今までの川旅の思い出が走馬灯のように駆けめぐった、わけではなく
ふと先ほどのルアーマンを思い出した。 そうだ!ルアーマンが見てるんだ!
ここで沈したら、ルアーマンの話のネタになってしまうじゃないかっ!
そう思った瞬間、体が反射的にエビ反りの態勢になり、なんとか踏ん張ることができた。
 私自身、常日頃からみんなに言っているではないか!
「最後まで諦めないこと。それが沈しない秘訣だ!」と。。。
そうだ!諦めちゃいけない!次の瞬間、私はパドルでその大岩を突き放しにかかった!
勘一が、お宮を突き放すように。。。(ちょっと違うか?:笑)

「うおりゃあ〜!ファイトぉぉぉ〜!」と叫び、パドルで岩をブッ叩くと、
ルアーマンから「いっぱぁぁぁ〜つ!」という声が、、、聞こえてくるはずもなかった。。。
 その一撃が功を奏したのか、船は無事流れに戻ることができたのだった。
「あぁぁ〜、熊野川さま。なんて試練を私にお与えになるのでしょうか!」パート2であった。

道の駅”瀞峡街道熊野川”が見えてきた。 下見の時に
”勢い良く行っちゃうと正面のカーブで岩にぶつけそうな瀬”があるのを見ていたので
なるべく手前のチキンコースを行く。 道の駅のギャラリーの前で沈はゴメンだ!

昼前なのに、なんだか早くも雲行きが怪しくなってきた。
地図を見ると、この先に誰もいないであろう河原があるようなので、そこをキャンプ地にしよう。
雨が降る前になんとかそこまで行きたい。
 無心に漕いでいると、目的の河原が見えてきた。
「よーし、どのへんに上陸しようかなぁ?」と思っていたら、雨が降ってきた。
はぁ〜、、、なんというタイミングなんだ! 結局、雨降りの中でテントを立てるはめになった。
「あぁぁ〜、熊野川さま。なんて試練を私にお与えになるのでしょうか!」パート3であった。
屋外で活動していて雨の日ほどつまらないものはない。 持ち物は濡れるわ、汚れるわ、気持ちは憂鬱になるわで。。。
今日は3時間くらいしか漕げなかった。 しかも今はまだ昼前。 ラーメンを食って冷えた体を温め、テントの中でしばらく横になる。
それから、やることもないので読書。 いつもは野田さんの文庫本なのだが、来る前に読んでしまった為、今回は落合信彦の文庫本だ。
 次第に雨足が強くなり、風が出てきた。
気がちって仕方ないのでブルースハープを吹きまくる。 小学生のようにヘッタクソに吹きまくる。 でも心配ない、ほかに誰もいないのだから。。。
暗くなる前にメシ食って寝ようと思い、水を汲みに行く。 ついでにカヌーをもう少し上の方まで持って上がることにした。
ビショビショの服を着替え、メシの準備にかかる。 ミートスパのレトルトしか残っていなかった。 これにすると、雨の中、器を洗いに行くのが億劫なので
パスタとレトルトを別々に食べることにした。レトルトを器に出さずにパックから直接吸うように食べるのだ。これなら器を汚さずに、口の中では立派にミートスパなのだ!
腹が減っている時は何でも美味しいもので、パスタだけでも結構イケルじゃないか!と思ってしまった。。。

辺りは暗くなりかけ、雨も一向に止まない。 増水が心配になってきた。。。
「雨が止みますように!」と祈りながら、雨音を聞きながら眠りについた。


_______________________3日目______________________

翌朝。  とても気持ち良く目覚めた。。。
いつものように、うるさいイヌの鳴き声で起こされることもなく
いつものように、車のエンジン音で起こされることもない。
そこにあるのは、ただ、サァァァーという川の音。
そう、僕の大好きな水の音。。。



テントの網戸から川を覗くと、水位が20センチほど上がっていた。
カヌーを上の方に持って上がったのは正解だった。
最初に置いていた場所は中州と化していた。
今日は晴れ。 昨日ズブ濡れになったものを干す。
テントの中で荷物の整理をしていると、ミミズを発見!
釣りエサ用に持ってきていた袋から逃げ出したのか?
気持ち悪くなって辺りを調べると、数匹出てきた。 みんなテントの外へ逃がす。
荷物を干す間、もう少し寝ようと横になった。

しばらくして目覚めると、今度はマットの端でミミズがうごめいていた。
マットの右半分をめくると3匹出てきた。 ということは?と思い、左半分をめくると
4匹出てきた。 う〜ん、どうやら私はうごめくミミズと伴に一晩過ごしたようだ。(爆)
今日はゴール地点までのんびりと漕ぐだけなので気が楽だ。
ただ、昨日の雨のせいで川が濁っているので、ひたすら上を向いて流れる。

”雨が降って川の水が濁るが、水量が増して川下りしやすくなる場合”と、
”雨が降ってなくて水量が少ないが、水の透明度はいい場合”と、
どちらを選ぶか?と問われれば、私は迷わず後者を選ぶ。
私にとって、川が濁ってしまって川の中の状態が見れない、
川の中の生き物が見れない、ということほどつまらないものはないのだから。


←スッキリ爽快な空と、
 なんとも溜め息まじりの川面↓

河口の熊野速玉大社の裏山には雑木がいっぱい生えていた。
神聖な場所なので手が加えられなかったせいだろうか?


河口まで来ると、一気に文明色が濃くなる。
そして流れがほとんど無い為、風に押し戻されないように漕ぐ。

釣りを始めようとしているオジサンの前を通りすぎながら
「何が釣れるんですかぁ〜?」と聞いてみた。
「スズキー!」と返事が帰ってきた。
この川旅で初めて人と話した瞬間だった。

私にとって、熊野川はイヤというほど孤独を味わえた偉大なる川であった。

コールマン ポータブルシャワーwithウォーターキャリアコールマン エンクロージャーケンユー 組み立て式簡易トイレプルマル

さんまの馴れ寿司
思ってたよりサッパリしていて旨かった!
川旅を終え、その土地の旨いものを食べる至福の時
(東宝茶屋にて)



さんまの姿寿司
こちらも普通に旨かった。
あっ!やべぇ!オレ、ごはんもの食ってたな。
のりさんとモコさんに怒られるわ!(笑)
次の日、のりさん達に「オレ、パスタしか食ってないから」と言って
ごはんを炊いてもらったんだった。すっかりさんま寿司のこと忘れてた。(^;^)


カヌー無料体験・ツーリング同行はこちらまで→

カヌー漕遊記のトップページに戻る



本HPに関するトラブルにつきましては、当方では一切責任を負いませんので、それを考慮の上お楽しみ下さい


和歌山県 新宮市 田辺市 三重県 紀宝町 熊野川 カヌーツーリング カヤックツアー 温泉 レジャー 旅行 川旅 一人旅 キャンプ

SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送