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今回の川旅・カヌーツーリングは、和歌山県の日置川。
↓日置川の詳細はこちら↓
1日の朝。 昨日リサーチした結果をもとに宇津木橋から安居橋まで下ることにした。
まず、車でスタート地となる宇津木橋へ行き、カヌー道具一式を河原へ放置し
ゴール地となる安居橋へ戻る。
安居橋の下の河原に車を置き、そのあとバスでスタート地へ戻る。
安居橋のたもとにバス亭があるので、早めに行って待つことにする。
朝の便を逃すと、歩きかタクシーを呼ばなければならないので気合が入る。
10分経ち、予定の時刻を過ぎた頃にバスがやってきた。
ん? 昨日乗ったバスとちょっと違うなぁ。。。? 違うのかな?
と思ったが、このバスが目的のバスならば、乗らなければ後がない!
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不安げに手をあげバスをとめた。
「すいません、このバスは宇津木橋まで行きますか?」と訪ねると
行くよ!と言うので安心して乗り込む。
しかし、入り口のドアは前側が開くし、整理券をとる箱が無い。
アレ?と思いながら一番前の席(運転席の後)に座ると、
運転手:「どこで降りるん?」
隊長:「宇津木橋の近くで降りたいんですけど。このバスでいいんですよね?
○○時△△分発のバスですよね?」
運転手:「あぁそうか! それならエエわ。
このバスはスクールバスやねんけど、橋の所までは行くから。
兄ちゃんが乗ろうとしてたバスは明光バスやろ?ホレ、今抜いてったバスや。」
隊長:「えっ!?そうなんすか?。。。あれぇ〜!どうしよお〜。。。」
運転手:「いや、かまへん。かまへん。あのバスは宇津木橋からまっすぐ行くんや。
ほんでこのバスは橋から右へ行くんや。どっちにしろ橋までは行くからな。」
隊長:「あっ、そうですか。どうもすいません。。。」(恐縮)
この運転手のおじさんは”江戸っ子”風で、バスの中で気さくに話しかけてくれました。
どこから来たの?から始まって、アユの話。
今はアユがまだ小さいから釣り師が少ない。とか、
昔はここのアユを徳島までよく運んだそうだ。
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徳島の川(たしか勝浦川だったっけ?)に放流する為
おじさんも何度か運びに行ったそうだが、
当時、”日置川のアユは成長が早い”と喜ばれたそうだ。
しかし今では日置川でもアユは昔ほど獲れなくなったそうだ。
それから、スクールバスは登下校の時間以外の時は何をしているのか?とか。
おじさんのために、もちろんココでは言えませんが。(笑)
昨年、あそこの瀬でカヌーが貼りついてたぞ! ホレ、あのカーブになった所。
下る時は気ぃつけや。とか。
途中、いきなり民家の前で停まるので、???と思ったら、
その民家の老婆から何かを受け取っていた。
「いやぁ、今のは嫁の母なんやけど、いつもああやって弁当やら野菜やらをくれるのよ。
ありがたいことよ。」と、少し恥ずかしげに話した。
最初は、ケンカっぱやそうなおじさんで、どうなることかと思ったが
話してみるとイイおやじであった。
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話し込んでいるうちに宇津木橋に着いた。
運転手:「ココでええんか?」
隊長:「ハイ。ここでイイです!
おじさん、オレ今、千円札1枚しか持ってないけど足りるかなぁ?」
運転手:「えっ!いらん、いらん。そんなんいらんぞ!かまへんきに、もう、はよ降りぃ。」
隊長:「あっ、はい。 すいません、ありがとうございました!」
気風のいい男だった。
さて、とてもいい気分でカヌーを組み立てる。
しかし、ここの河原も昨日の河原とよく似て草が生い茂っている。
うん? なんかイヤな予感がする。。。
「ブーーーーン!!!」 不安的中! またハチに威嚇された!
なので、やっぱりここでも、とりあえず乗れる状態にしてすぐに出発!
またまたハチに追われてのスタートとなった。
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船の上でまどろんでいると1匹のオニヤンマが船先にとまった
単独行の私にとっては嬉しい旅のトモだ
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少し下った所で、改めて船を完璧な状態にする。
その作業中、いきなり草むらから男が現われた!
ほんとにいきなりだったので、思わず「うわぁっ!」と叫び、2、3歩後退してしまった。(恥)
男は私のビックリ仰天した姿(ビクッ!ってなったところ)を見て恐縮し、
私は男に対し「うわっ」などと失礼なことを叫んでしまったと恐縮した、
お互いに気まずい雰囲気の中、話し始めるのだった。(笑)
男はすぐそばのキャンプ場に家族で泊まりにきていた若いお父さんでした。
子供をどこかへ連れて行ってやろうと思い、大阪から来たそうだ。
お父さんも大変なんだね!(^:^)
今日は午後から向平キャンプ場でカヌー体験をするそうだ。
そのせいか、カヌーに関する質問をマシンガンのように浴びせられた。(笑)
でもカヌーに興味を持ってくれる人がいて、ちょっとホッとした。
お互いに「また下で会えるといいですね。」と言って別れた。
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それにしてもデカい川だ。まわりの山々もデカい!壮大な景色だ!
しばらく行くと、カヌーが貼りついていたという瀬が見えてきた。
ここはひとつ気合を入れてサッサと漕ぎ抜けよう!
”君子危きに近寄らず”の心境だった。
瀬を無事に通過し、気分良く流れて行くと、何かを獲っているおじさんを発見!
ちょっと退屈してたので近づいてみる。
隊長:「何がとれるんですか?」
おいさん:「エビ。テナガエビ。こんなやつや」
隊長:「へぇ〜、いっぱい獲れるんですねぇ。」
おいさん:「あぁ、糠(ぬか)をまいたら石の間からエビがいっぱい出てくるから
そこをこの網で後からすくうんや!」
そう言って、自分で改良して作ったタモ(網)を見せてくれた。
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さて、向平キャンプ場が見えてきた。
予定より早く着いたせいか、朝に出会ったお父さんはまだ来てないようだった。
この先には堰堤があるので、慎重に船を進めた。
幸い、高低差の低い堰堤だったので楽にポーテージできた。
ここから少しの間、道路から離れた区間となる。 ちょっと楽しみ!
なぜなら、車とか人工物をあまり見なくて済むからだ。
ウキウキしながら漕いで行くと、数本の杭が川面から頭を出していた。
なんだ?なんだ? 手前の河原に船を着け、下見に行く。
ポーテージしなくても通過できそうなルートを発見! 再び船に乗り込む。
頭を出していたから「杭がある!」と分かったものの、
知らずに進んでいたら船が傷付いただろう。。。
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ホッとする暇もなく、今度はいやらしそうな瀬が迫ってきた!
川幅が急に狭くなりカーブしている。
流れに乗って、ただ浮かんでいるだけではカーブの外側に貼りつきそうだ。
そこでなるべく内側を、推進力をつけて漕ぐことにする。
がしかし、世の中、イメージ通りに事が進むほど甘くはない。
水流の力で外側にふくれてしまった!
しかも外側にはたくさんの竹が川面まで覆い被さって来ている為
パドルワークがままならない! ヤバイ!ヤバイ!
一瞬、緊迫した空気が流れたが、なんとか無事にクリアできた。
振り返って「チキショー!ざけんなよっ!いやらしい瀬め!」と悪態をつき
前に向き直ると、今度は大きな岩群が現われた!
頭を出しているものや、ひそかに水中に隠れているものもいる。
「おっとっと!」と岩の間をすり抜けた。
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橋の下で大の字に寝っころがり、天を仰ぎ見る
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ファルト艇にとっちゃ、まったく油断ならん区間だな。
岩群に振り返って、また悪態をついてやろうと思ったが、
その先にまた何かあるといけないので、そのまま慎重に漕ぎ進んだ。
次は何が待ちうけているのだろうか!? と緊張して漕ぎ進むと、な・な・なんと!
素晴らしい河原に出た。(笑)
厳しい難局を乗り越えた者には必ず楽園が訪れるんだな。
気が抜けたので、その河原で一服することにした。
そこはキャンプをするには、もってこいの河原だった。
しかし、そこへ行く為には、あのいやらしい区間を通らねばならない。。。
そこからゴール地までは、あっという間だった。
ゴール地の案居橋の河原では、帰省中の家族が水浴びをしていた。
おじいちゃんは孫を前にして、はりきって泳いでた。
「オイオイ、その年でそんなにガンガン泳いでだいじょ〜ぶか?」
ってくらい、子供以上にはしゃいでいた。(笑)
いい天気だったので、船の補修をした。
船を乾かす間、橋の下の日陰で横になる。
頬にあたる風がとても気持ち良く、そのままウトウトと寝入った。。。
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本州最南端の潮岬灯台。80メートルの断崖絶壁に立つ。
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今回のカヌーツーリングで私が個人的に思ったことは
「日置川はデカい! 空も山も川も、全てが大味だ!」ということ。
水は、そんなに綺麗だとは思わない緑色だったが、これは日によって違うのだろう。
漕いでいても変化に乏しく、「うわぁ!うわぁ!」ということは少ない。
だから撮った写真の枚数が少ないでしょ!(笑)
でも、そんな退屈さをフッ飛ばしてくれたのは、川で出会った人達でした。
川そのものよりも、川に関わる人達・景色・生物が良かった。本当に良かった!
日置川は、それを取り巻く環境が抜群に素晴らしいのだ!
昨日は日置川をリサーチする為、大粒の雨の中を上流に向け10キロほど歩き
途中バスに乗ったが、帰りも駅まで7キロほど歩いた。
久し振りにたくさん歩いたので足にマメができていた。(笑)
ゆえに体を癒す為、帰りにえびね温泉へ立ち寄る。
凄く効能がありそうなお湯に浸かり、旅の余韻に浸る。
風呂上り、しっかりとカキ氷をかきこみ、心地良く帰路についた。。。
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橋杭岩
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大小あわせて40個あまりの奇岩が850メートルに渡り並ぶ
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道の駅・志原海岸より見る「志原の千畳敷」
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まさに潮溜まり天国だ!
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